ステンレスプールメーカーの結末
最初のステンレスプールの施工現場は県内で普段から馴染みのある地域でした。
次の現場はもう少し遠かったのですが、県内なので行こうと思えばすぐに行くことができました。
格安で受注していたこともあり、次の見積依頼もすぐに来ました。
それは予想通りで非常にありがたいことなのですが、現場は兵庫県姫路市でした。
全国的に見れば同じ関西地域ですので、近くなくとも遠くでもないという感じでしょうが、いざ姫路に行くとなったら片道何時間もかかります。
トラックに乗っていた時の感覚からすれば、神戸ならまだ遠くありませんが、姫路なら「うわー、遠いなあ~」という感じですね。
せめて神戸辺りなら良かったのですが、姫路までの距離が引っかかりました。
引っかかるというよりも、高い壁となって立ちはだかりました。
言うまでもありませんが、滋賀で製造したプールのパーツを県内に運ぶのと県外に運ぶのでは、運送費が全然違ってきます。
大型トラック何台分も運びますので、それだけで何十万円もかかります。
作業員を行かせるにしても交通費に加えて宿泊費などもかかります。
私が現場に行こうにも簡単に行くことはできませんし、その費用もバカになりません・・・
それを見積もりに加算していけば、金額が一気に上がってしまいました。
一度格安で受注した実績がありますので、先方もそれを期待しています。
もちろん同じ価格でできるとは思っていないでしょうが、それでも安くできることを期待しているわけです。
今回の見積では、その期待に応えられないと感じました。
そもそも、最初の見積は「ここまで安くしたら受注できるだろう?!」と思って適当に出した金額ですので、滋賀の現場でも赤字でした。
そんな適当な見積もりが元になっていますので、全然割に合わなくて当然です。(笑)
また、簡単に目の届かない現場で施工するのは、問題が起こるのが目に見えていました。
今までは近くだったので何かあれば私が動くことができましたが、そう簡単に行ける距離ではありませんし、責任者に私の代わり任せるのはさすがに不可能です。
これらは姫路だからの懸念ではなく、神戸でも大阪でも京都でも同じです。
いろいろ考えた結果、スッパリと諦めることにしました!
事業拡大には欠かせない事業でしたが、「近場以外はどう考えても無理!」という結論だったのです。
滋賀での工事は当分ないというのも決断の要素になりました。
無茶したら大赤字を掘るところだったのですが、私の抜群の経営判断が発揮されたのです!
という以前に、最初の受注を安くしすぎたのが一番の失敗ですので、最初から経営判断を大きく間違っていたことになりますね。(笑)
ちなみに、当時から切り替えはめちゃくちゃ早かったので、やめるとなったら「やめますわ!はい、さいなら~」という感じで、未練も何もありませんでした。
結局、ステンレスプール工事は、苦労して赤字を出して終わったのです・・・
何も考えずに安く受注したり、勢いだけで事業拡大するのはダメだという教訓ですね。
まあ、子供でも分かる話ですが・・・