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事業アドバイザーとして活動する以前は、会社の経営者として様々な事業を立ち上げていました。その時代の失敗談、成功談から最近の事業アドバイス事例、改善事例など、事業繁栄のヒントになる実体験を書きます。

社会保険の抜け穴

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当時の従業員は、20代の若い人材がほとんどでした。

若い人のイメージとしては、保険や保証よりも手取りを優先するように思えると思います。

ましてや「きつい、汚い、危険」のいわゆる「3K」のお墨付きをもらっている職場ですから、そこに志望する人材となるとなおさらです。

ちなみに、夏は暖房、冬は冷房がガンガン効いた快適な職場でした。(笑)

でも、実際は目先の金額だけでなく、保険や将来のことも考えている若い人材が意外と多かったですね。

「その顔で保険を重視するのか?」という感じです。(笑)

当時の健康保険は医療費の自己負担が1割でしたので、国保の3割負担と比べてメリットがありました。

年金も国民年金よりも厚生年金の方が多いこともあり、思った以上に保険を重視する人が多かったのです。

ただし、給料全額に対して保険料を計算すると、従業員も事業所も高い保険料を払わなければなりませんので、それを軽減する方法を採用していました。

それは、ボーナス前払いです!

当時の賞与に対する社会保険料は、給与に比べて低く設定されていました。

正確な乗率は忘れましたが、10分の1どころではなく、ほとんど気にならない率だったと思います。

そこで、賞与を大きく取って、毎月前払いする形にしたのです。

たとえば、給料が40万円とします。

その場合は、基本給が20万円で、ボーナス前払いが20万円ということです。

こうすることで、単純に社会保険料が従業員、事業所ともに半額になるわけです。

ボーナスが半年で125万円とすると、前払いの120万円を差し引いて、手取りのボーナスはたった5万円ということになります。(笑)

これで保険料を半額にしながら、保険も年金も全額支払っているのと同じになります。

実際は、年金はもらえる金額に影響したのかも知れませんが、そんな何十年も先の細かいことなんて誰も気にしていませんでした。

こうして、きちんと法律に則って、社会保険に加入していたのです。

この話をすると、誰一人反対者はなく「これはいいですね~!」と喜んでくれました。

これも私の会社のメリットの一つになりました。

この何年後かに、賞与の乗率も給与と同じになりましたので、この方法は使えなくなりました。

おそらく、賞与の乗率が低いことに目をつけて、良からぬことを企む人がいたからでしょう。(笑)

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