《人類の歴史をふりかえって、それが道徳法則の実現される社会に向かって漸進してきた以上、今後もそう見なしてよい》
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哲学者カントは書いています。
《人類の歴史をふりかえって、それが道徳法則の
実現される社会に向かって漸進してきた以上、今後もそう見なしてよい》
つまり、世の中の枠組みが今までのまま推移すると考えたり、
昔のままであってほしいと考える人も数多くいるだろうけれども、
そうではないと考えることは可能であると。
世の中はもっともっと良くなるはずだと。
そのように考えて行動するかどうか。
それによってライフスタイルは大きく異なってくると思います。
各個人がどのように考え行動するにせよ、世界全体は、
「道徳法則の実現される社会に向かって漸進する」のだとしても。
柄谷行人「倫理21」より:
先進資本主義国家は、その『国民』の幸福のために、
将来の危機において戦争を辞さないでしょうし、
『国民』の間にナショナリズムを喚起するでしょう。
そのような事態を避けるために、われわれは
何かをしなければならない。そうしたとしても、
われわれが得をすることはないし、
未来の人間から感謝されるわけでもありません。
にもかかわらず、そうすべきだということは、
われわれ自身の問題です。
それは、未来の他者を目的として扱うということです。
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