『生活クラブ』というシンプルな名前の、消費者ライフスタイルのオルタナティブ。
今日は八王子の長池公園で開催されている
『長池講義』というセミナーを聴講してきました。
http://web.nagaike-lecture.com/
『生活クラブ』という生活協同組合について、
同生協のシンクタンク『市民セクター政策機構』の理事長
澤口隆志氏から詳しいお話をお聞きすることができました。
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明治以来、
日本における「変革」は常に:
・エスタブリッシュメント
・国家
・統治
・フォーマル
・多数派
・男社会
というベクトルをもって進められてきたと、
澤口氏は指摘しておられます。
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それに対し、世田谷区の主婦の集まり
(最初は「生協」というものの存在すら知らなかったそうです)
から生まれた『生活クラブ』の運動法則は、
以下のような機軸で表されることになります:
・非エスタブリッシュメント ⇔ エスタブリッシュメント(権威主義)
・地域 ⇔ 国家(官僚主導)
・自治 ⇔ 統治(管理社会)
・インフォーマル ⇔ フォーマル(ルールでしばる)
・少数派 ⇔ 多数派(巨人・大鵬・玉子焼き<<古いですね!)
・女性 ⇔ 男社会(オヤジによる村社会)
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一般的な生協やスーパーの商品アイテムは、
少なくとも1万種類、メガスーパーでは10万点以上といいます。
それに対し『生活クラブ』で扱う品目は約1600種類。
(それらは「商品」ではなく「消費材」と呼ばれています)
組合員組織が参画して開発した「オリジナル消費材」を中心に、
品質に関するトレーサビリティが確保できるもの、そして、
組合および組合員が、生活に必要と判断した消費材だけを揃える
という方針からの帰結だそうですが、そうした活動の積み重ねの中から、
以下のような取り組みが、次々と生まれているのだそうです。
・国内の生協で唯一の、自前の牛乳工場の設立
・安全な国産鶏種、豚種、牛種の開発と生産
・コメの年間予約に基づく生産
・せっけん運動>>せっけん工場設立
・生産する消費者>>ワーカーズコレクティブ運動
・デイケアセンター事業を自力で設立
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「オルタナティブな視点」から消費のあり方を考えたいと思い、
始めたこのブログですが、僕自身、消費の側から新しい価値観をさぐる
にはどうすればいいか、その答えを見出せないでいました。
ところが、『生活クラブ』のみなさんは、
オルタナティブなライフスタイルを具現化する運動を
何十年も前から着実に推進しておられるのです。
『生活クラブ』のみなさんの地道な取り組みの中に、
未来の社会のあり方を示す本当の意味での『希望』を感じたのでした。