サービスサイエンスとは何か?
サービスサイエンスという言葉を聞かれたことはあるでしょうか?
まだ耳新しい言葉ですが、サービスサイエンスとは何かを書いてみたいと思います。
今や、GDPの70%はサービス産業です。
ところが製造業の生産性に比べて、サービス業の生産性は決して高いものとは言えません。
リッツカールトンやノードストロームの感動物語は有名ですが、高級感溢れる接客術だけで良いのでしょうか?又、製造業においても、アフターフォローの品質が製品選択の決め手になる時代ですから、決してサービスとは無縁ではないでしょう。
サービス産業の特徴として、サービスサイエンスという言葉が生まれる前から、コトラーは、作り置きが出来ない、生産と消費が同時に行われる、したがって品質管理が難しいと言っています。
そこで、品質管理が難しいサービス業務に、なんとか科学の目でアプローチすることによって品質と生産性を上げられないかという考え方がサービスサイエンスです。
顧客のサービスに関する事前期待値と、提供されたサービスの値の差によってその評価は変わります。事前期待値よりも、提供されたサービスの値が上回れば、顧客満足と感動が得られます。同じ値ならば、まあまあとなり、期待値よりも提供されたサービスの質が下回れば、顧客の不満が発生します。
そこでサービスの品質と生産性を上げるためには、2つの面から科学することが必要です。
1つ目は、お客の事前期待を調査し、分析し、正しく知ることです。又、場合によっては
正しい事前期待を持って頂くために情報を正しく伝えることも必要でしょう。
2つ目は、提供しているサービスをプロセスに分解し、分析し、モデル化によってあるべきプロセスを定義し、教育することです。その結果が、知りえた顧客の事前期待値を上回る必要があります。従来のサービス業では、暗黙知として伝承されてきたサービスの在り方を、科学的に形式知に変えることによって生産性と品質は劇的に向上します。例えば、オムロンフィールドエンジニアリングでは、電話で問題を解決することによって年間6,7000件の現地出動削減、金額にして10億円の削減効果をもたらし、督促電話が1/10に削減され、現地到着時間が25%短縮されています。
「サービスサイエンスによる企業イノベーション」と題したサービスサイエンスの講演とワークショップが5月18日に行われます。
是非参加されてはいかがでしょうか?