営業がいらない時代(2)お客様の期待にも経営者の期待にも応えられない営業に存在意義はない
古くさい営業のやり方をいまでも通じると信じて疑わない人たちがいる。足で稼げ、アポイントを増やせ、きっかけでもいいから何か獲ってこい。そういう人たちが経営者や管理者となって、営業にハッパをかける。しかし、もはや時代は変わってしまっている。営業は、そんな上司からのプレッシャーとお客様の現実とのギャップに、大きなストレスを感じているが、過去の成功体験を信仰にしている人たちには、何を言っても通じない。
営業が、お客様にとってのノイズであれば、会社には何ら価値をもたらすことはない。それでも、営業という肩書きを与えられた以上、仕事としてのカタチを示さなければならいから、ノイズでしかないアポ取りを必死で行い、自分の時間を埋めようとする。そんな仕事に成果などあがるはずはない。
そして、こんなことを言うのだろう。売れないのは売れるものがないからだ、なかなか決まらないのはお客様の意志決定が遅いからだ、チャンスがないのは景気や担当テリトリーが悪いからだと。そう思い込むしか、心の平衡を保つ手段がない。そして、その言い訳を、文学的表現を駆使して「仕方がない」文脈に仕上げ、週報として提出する。その時間も精神的負担も大きな重荷となる。そして、それを読む上司の楽しいはずの週末を、憂鬱な時間に変えてしまう。
そんな悪循環を繰り返しているのだから、業績が上がるはずはない。しかし、締めは必ず訪れる。しかし、予算とのギャップは容易には埋まらない。勢い、リース切れやサポート切れのお客様に売り込みをかける。あるいは、代理店に頼み込んで、在庫を積み上げてもらう。しかし、クラウドやサービスになれば、もはやその手は使えない。
ビジネス環境がめまぐるしく変わる時代になり、資産を増やすことは大きなビジネス・リスクとなった。決定を下した時点では必要だと考えて買ったものや作ったものが、思惑通りに使われないことなど、もはや当たり前の時代だ。だからお客様は、できるだけ買いたくない、作りたくないので、クラウドやサービスに移行しようとしている。その勢いを止めるのは、大河に一本の棹を差すようなものだ。
無駄な抵抗は意味がないと分かっていても、クラウドやサービスに移行されてしまえば、売上と利益は減少する。そうなると、自分たちのビジネスが立ちゆかなくなってしまう。それよりも何よりも、営業の業績評価基準は、その年の売上と利益の金額だから、そんなものを提案しては、自分で自分の首を絞めるようなものだ。
世の中は、クラウドやサービスの時代になることは既定路線だ。会社もまたそのための施策を考えている。経営者や管理者は、それを売ることがこれからの営業に求められているので、頑張れ!と叱咤激励するが、そんなことを真面目に受けとめていたら、自分の予算を達成できず査定もボーナスも下がってしまう。頑張るほどに自分の業績を下げてしまうのだ。そんなことにはしたくないと、これまで同様、モノを売り作ることをお客様に提案する。そんなダブル・スタンダードが営業の現場を苦しめている。
お客様の期待にも、経営者の期待にも応えられない営業に存在意義はない。もはや「営業がいらない時代」なのだ。
明日に続く・・・
営業がいらない時代 掲載予定
- 私たちの日常は営業を必要としていない(5月14日)
- お客様の期待にも経営者の期待にも応えられない営業に存在意義はない
- 「営業がいらない時代」にどうやって生き抜けばいいのだろう
- 「営業」を再定義しよう
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
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テクノロジー・トピックス編
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