ガンバレ営業くん!
なぜもっと相手に話をさせようとしないのか?
20歳代も後半と思われる営業が、情シスに自分たちの製品を売り込みに来た。私は、その現場に立ち会った。
彼は、自分たちの会社の紹介、製品の紹介、それがどれほど優れているかということ、導入事例の紹介などなど、よどみなく蕩々と語る。まるで寿限無寿限無である。毎日同じ話をしているのだろうと思うが、それはそれで見事だった。
ひとしきり話しを聞いてから、私は次のような質問をした。
「あなた、あんまり売れてないでしょ?」
かれは唐突な質問にあっけにとられてしまったようで、口ごもってしまった。
「説明のスキルは見事だけれど、それじゃあ売れませんよ。」
元気のいい若い営業を見ていると、どうしても黙ってはいられない。こういうのを老婆心というのだろう。
「まずは、自分の説明はそこそこにして、こんなことに困っているのではないかと質問してみてはどうだろう。」
もう完全に先生モードだ。
「相手にもっと話をさせること。そして、相手に"こんなことに困っている"と言わせることです。そして、それならばこんな解決方法がありますよと続けてみてはどうだろう。」
余計なお世話だと分かってはいたが、我慢できなかった。
「あなたは、お客様に行って話をすることで仕事をしている気になっているだけじゃないですか。話しのスキルが磨かれてゆくことで、営業力が伸びてきたと勘違いしてはいけない。営業の仕事は、数字を作ることですよ。」
「相手に話をさせることです。あなたは話をすることで仕事をしている気になるのと同じように、相手も話しをしているうちに、そういうものが必要なんだという気持ちになってゆく。そうやって、売り込みのチャンスを掴まなくちゃね。」
同席していた情シスの部長も、そうだそうだと言わんばかりに、にこやかな表情をされていた。
「もっと相手の気持ちに寄り添ってみてはどうだろう。相手と対話することです。こんなにも自分の製品に自信があり知識もあるのだから、お客様との対話の材料は十分にある。相手はきっとこんなことに困っているはずだ、こんなことを実現したいはずだ。そんな仮説を相手にぶつけ、相手から言葉を引き出すことに時間を使ってみてはどうだろう。製品を売り込むのではなく、相手の抱える課題とその製品の関係を紐付けて、相手に必要性を気付かせることです。そうすれば相手は前のめりになってあなたの話を聞こうと思うでしょう。」
ああ、まずいなぁ、余計なお世話だよなぁ、と思いながらも我慢できなかった。
「まずは相手の困っていることや相手の立場に感情移入すること、つまり共感すること。相手と同じ立場にいることを確認してはどうだろう。あなたのように一方的に話されると、こちらはだまされないぞと高い壁を建ててしまう。そうさせないために、相手の壁の内側に入ることからはじめてはどうだろう。そうすれば、相手もいろいろと話してくれるし数字二つながるチャンスは確実に増えると思いますよ。」
以上、営業スキルの講義終了!
面倒なオヤジだったと不運を嘆くか、いい勉強になったと改善のきっかけを掴むかは本人次第だろうが、頑張って欲しいと心から願っている。
そもそも当事者である情シス部長はというと、どうも最初からあまり興味がなかったようで情報収集程度の目的で営業の来訪を許したようだった。そのあたりを最初に見極め、それにふさわしい対応をして、早々においとまさせていただくことも営業の力量だろう。
ガンバレ若者!!!
【募集開始】ビジネス・リーダーのためのデジタル戦略塾
- 8月2日(木) 第1回 最新のITトレンドとこれからのビジネス戦略
- 8月29日(水) 第2回 ビジネスを戦略的に動かす実践データサイエンス
- 9月14日(金) 第3回 未来創造デザインによる新規事業の創出
- 10月3日(水) 第4回 デジタルサービスの機敏な提供ーVeriSM
対象者は次のような方です。
SI事業者やITベンダーではない事業会社のリーダーや管理職、部門長、経営者(ITやデジタル・テクノロジーについての前提知識は不要)
- 事業企画や経営企画にかかわっている
- 新規事業開発にかかわっている
- 情報システム部門で企画や戦略に関わっている
次のような課題をお持ちの皆さん
- 最新のIT知識や実践で活かすためのノウハウを手に入れたい。
- デジタル戦略の実践でリーダーシップを発揮したい。
- 事業計画にデジタル戦略を織り込みたい。
もはやデジタルを味方にしなければ生き残れない時代です。しかし、加速度を増すテクノロジーの進化についてゆくことは大変なことです。また、それを実践に活かすとなるさらに高いハードルが待ち受けています。
そんな課題を克服し、自分たちのデジタル戦略を前進させたいと考えている方に、テクノロジーについての最新の知識をわかりやすく伝え、実践のためのノウハウを学んで頂きます。
SI事業者やITベンダーの皆さんへ
お客様のITに関わる予算の7割は、情シス部門以外の部門が意志決定に関与しています。ここに営業力を直接的に行使できれば、営業目標の達成にも大いに貢献できます。「デジタル戦略塾」は、この取り組みを支援するものです。
いま、お客様の事業部門は、自らの事業の差別化を図り競争力を強化するためにITを積極的に活用していこうとしています。「攻めのIT」や「ビジネスのデジタル化」、あるいは、「デジタル・トランスフォーメーション」といった言葉が、注目されているのはそのような背景があるからです。一方で、彼らはITについての知識は乏しく、それを活かす方法を知りません。
ITを活用して事業の競争力を高めたいが、それを実践に活かす知識もノウハウもない
このギャップを埋めることに積極的に貢献できれば、事業部門との信頼関係を強固にすることができます。そうすればその先にビジネスのきっかけを見つけることができるようになるはずです。
情報システム部門の皆さんへ
情報システム部門の中には、このような事業部門の取り組みの蚊帳の外に置かれているところもあるようです。「攻めのIT」は事業部門の主導の下で行われ、自らの存在意義を問われています。
「デジタル戦略塾」を事業部門にご紹介いただくことは、「攻めのIT」への取り組みにおける自分たちの存在意義を、事業部門や経営者にアピールする有効な手立てとなります。また、ご自身も一緒にご参加いただき、「攻めのIT」への取り組みを二人三脚で取り組むための知識とノウハウを共有して頂くこともできます。
- AIやIoT、クラウドやアジャイル開発などの最新のテクノロジー
- ビジネスをデータで理解するためのデータサイエンス
- ビジネスにイノベーションをもたらすデザイン思考
- 新しいビジネスをいち早く実践の現場に展開するためのVeriSM
ご参加ならびにご紹介をいただければ幸いです。
【募集開始】新入社員ための最新ITトレンド研修
IoT、AI、クラウドなどのキーワードは、ビジネスの現場では当たり前に飛び交っています。デジタル・トランスフォーメーションの到来は、これからのITビジネスの未来を大きく変えてしまうでしょう。
しかし、新入社員研修ではITの基礎やプログラミングは教えても、このような最新ITトレンドについて教えることはありません。
そんな彼らに「ITトレンドの最新の常識」と「ITビジネスに関わることの意義や楽しさ」についてわかりやすく伝え、これから取り組む自分の仕事に自信とやり甲斐を持ってもらおうと「新入社員ための最新ITトレンド研修」を昨年よりスタートさせました。今年も7月17日(火)と8月20日(月)に開催することにしました。
参加費も1日研修で1万円に設定しました。この金額ならば、会社が費用を出してくれなくても、志さえあれば自腹で支払えるだろうと考えたからです。
社会人として、あるいはIT業界人として、厳しいことや頑張らなくちゃいけないことも伝えなくてはなりません。でも「ITは楽しい」と思えてこそ、困難を乗り越える力が生まれてくるのではないでしょうか。
- ITって凄い
- ITの仕事はこんなにも可能性があるんだ
- この業界に入って本当に良かった
この研修を終えて、受講者にそう思ってもらえることが目標です。
よろしければ、御社の新入社員にもご参加いただければと願っております。
詳しくは、こちらをご覧下さい。
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
LiBRA 5月度版リリース====================
- SI事業者/ITベンダーのための「デジタル・トランスフォーメーションの教科書」をリリース
- 「ITソリューション塾・第27期」の最新コンテンツ
- その他、コンテンツを追加
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【新規掲載】SI事業者/ITベンダーのためのデジタル・トランスフォーメーションの教科書
- 教科書 全109ページ
- PDF版
- プレゼンテーション 全38ページ ロイヤリティフリー
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「ITソリューション塾・第27期」の最新コンテンツを追加
メインテーマ
ITトレンドの読み解き方とクラウドの本質
ソフトウェア化するインフラと仮想化
クラウド時代のモバイルデバイスとクライアント
IoT(モノのインターネット)
AI(人工知能)
データベース
ストレージ
これからのアプリケーション開発と運用
これからのビジネス戦略【新規】
知っておきたいトレンド
ブロックチェーン
量子コンピュータ
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サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】伝統的なやり方とIoTの違い p.19
サービス&アプリケーション・先進技術編/人工知能とロボット
【新規】人間にしかできないコト・機械にもできること p.100
インフラ&プラットフォーム編
【新規】仮想化とは何か p.68
【新規】仮想化の役割 p.70
【新規】サイバー・セキュリティ対策とは何か p.125
【新規】脆弱性対策 p.127
クラウド・コンピューティング編
【新規】コンピューターの構成と種類 p.6
【新規】「クラウド・コンピューティング」という名前の由来 p.17
【新規】クラウドがもたらすビジネス価値 p.26