営業の仕事(5/5)顧客満足を事前期待で管理する
「一生懸命やりましたよ。エンジニアもいい仕事をしたと思います。でも、ご満足いただけませんでした。期待外れだとも言われました。あの人は、この仕事がどれほど大変なのか、分かっちゃいないんですよ!」
分かっていないのは、自分であることに気がついていないようだ。
自分たちは一生懸命やったし、しかるべき成果をあげたのだから、こちらに落ち度はない。それで満足できないは、相手が悪いというわけだ。
そもそも「満足」とは何だろう。「満足とは、事前期待を超えること」だ。例えば、オリンピックであの選手は金メダル間違えなしと期待していたのに、結果が銀メダルであれば、がっかりだ。銀メダルを獲得できたことは素晴らしいことに違いないが、事前期待が金メダルであれば、その事前期待を超えることができなかったので、銀メダルでは不満である。
営業が、このシステムを導入すれば、毎月100万円の経費節減ができますと伝えれば、相手は100万円を期待するだろう。一方で、80万円の経費節減ができると伝えれば、80万円を期待するだろう。結果として、90万円の経費節減が実現したならどうなるだろう。
100万円を期待していた相手はこの結果に対して、10万円の損をしたと不満を感じる。一方、80万円を期待していた相手は10万円の得をしたと満足を感じる。
満足とは事前期待を超えることであり、満足の大きさは事前期待とのギャップであることが分かるだろう。
満足は相手の感情であることも理解しておくことだ。こちらの努力や成果とは関係ない。一所懸命に頑張れば満足してもらえるなどと言う精神論を振りかざすべきではない。
どれほど頑張って素晴らしい成果をあげたとしても、事前期待がその成果を超えていれば相手は満足しない。だから、相手に満足を与えたければ、可能な限り相手の事前期待を下げておくべきだ。
- いい話ばかりして、相手の期待を必要以上に嵩上げしてはいないだろうか。
- 競合相手をけなして、どれほど自分たちが優れているかを必要以上に売り込んではいないだろうか。
- リスクや弱点を語ることなく、良いことばかりを伝えてはいないだろうか。
これでは、どれほど素晴らしい成果をあげたとしても、相手に満足を与えることはできない。
もちろん、期待値を下げすぎれば、相手も興味を持てたなくなってしまう。そんな程度なら興味はないと切られてしまうだろう。だから、冷静に相手と話し合うことだ。
- 相手は何をどの程度期待しているのかを確認する。
- こちらは、その期待にどの程度応えられるのかを客観的に説明する。
- リスクや課題があることを、理を尽くして説明する。
そして、お互いの合意点を見出すことだ。そして、その合意点を超えることを目指す。
顧客満足を事前期待で管理する
それができてこそ、相手はあなたの努力に感謝して、またあなたにお願いしようと思うだろう。
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デジタル・トランスフォーメーションとは何か、SI事業者やITベンダーはこの変化にどう向きあえばいいのかを1冊の書籍にまとめました。これが「SI事業者/ITベンダーのためのデジタル・トランスフォーメーションの教科書」です。PDF/A4版・109ページのデジタル出版です。紙の書籍にすると200ページくらいのボリュームにはなると思います。もちろん、前著同様に掲載したチャートは全てロイヤリティ・フリーでダウンロードできるようにしています。
いまと未来を冷静に見つめ、SIビジネスのデジタル・トランスフォーメーションにどう向きあえばいいのかを考えるきっかけになればと願っています。
内容は以下の通りです。
- デジタル・トランスフォーメーションとは何か
- デジタル・トランスフォーメーションの定義
- デジタル・トランスフォーメーションを支えるテクノロジー
- SIビジネスのデジタル・トランスフォーメーション
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ITビジネスの未来は大いに開けています。ITは私たちの日常や社会活動にこれまでにも増して深く関わり、アンビエント(環境や周囲に溶け込む)になっていくでしょう。そこには新たなビジネスチャンスが待っています。しかし、そのチャンスを見つけるためには、視線を変えなければなりません。もはやこれまでのSIビジネスの視線の向こうには、新しいビジネスチャンスはないのです。
じゃあどうすれば良いのでしょうか。本書で、そのための戦略と施策を考えるきっかけを見つけていただければと願っています。
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
LiBRA 5月度版リリース====================
- SI事業者/ITベンダーのための「デジタル・トランスフォーメーションの教科書」をリリース
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【新規掲載】SI事業者/ITベンダーのためのデジタル・トランスフォーメーションの教科書
- 教科書 全109ページ
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「ITソリューション塾・第27期」の最新コンテンツを追加
メインテーマ
ITトレンドの読み解き方とクラウドの本質
ソフトウェア化するインフラと仮想化
クラウド時代のモバイルデバイスとクライアント
IoT(モノのインターネット)
AI(人工知能)
データベース
ストレージ
これからのアプリケーション開発と運用
これからのビジネス戦略【新規】
知っておきたいトレンド
ブロックチェーン
量子コンピュータ
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サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】伝統的なやり方とIoTの違い p.19
サービス&アプリケーション・先進技術編/人工知能とロボット
【新規】人間にしかできないコト・機械にもできること p.100
インフラ&プラットフォーム編
【新規】仮想化とは何か p.68
【新規】仮想化の役割 p.70
【新規】サイバー・セキュリティ対策とは何か p.125
【新規】脆弱性対策 p.127
クラウド・コンピューティング編
【新規】コンピューターの構成と種類 p.6
【新規】「クラウド・コンピューティング」という名前の由来 p.17
【新規】クラウドがもたらすビジネス価値 p.26