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Philosophical Speculation and Debate in IT Matters

「夢(Dream)」の話 -シリコン・バンドと"d.r.e.a.m"-

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 正月ということなので、夢の話をしようと思う。ただ、単に夢の話ではなく、夢を実現するための5つの要素についての話です。  さて、"d.r.e.a.m"とは何でしょうか? Kevin Carroll を知ってられる方はおられるであろうか?

 昨年5月下旬にソフトウェア・ベンダーのInfor(旧MAPICS)のカスタマー・コンファレンス(international customer conference)MPowerに参加したが、その最終日のランチタイムのゲスト・スピーカーがKevin Carroll (注1)であった。

癌と闘う人々への支援の証として有名な、ランス・アームストロングの"LiveStrong? "を刻印した黄色のシリコン・バンド〔Awareness band〕よりも前に、ナイキにおいて、"DREAM"と埋め込んだ最初のシリコン・バンド〔Awareness band〕作った人がKevin Carrollである。(見にくいと思うが、写真の下の方にDREAMと刻印されている。裏側にはナイキのマークが。)

彼の語りはひじょうに迫力があり、引き込まれるものだった。そのスピーチの中で、"DREAM" の話があった。
そのとき、"d.r.e.a.m.BIG!" と書かれたカードとDREAMと刻印されている透明なシリコン・バンドをもらった。
DREAM(夢)実現に示唆に富んでいることがカードの方に書かれている。

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Dreambig_it

d.r.e.a.m は、以下の5つの言葉の略語
* d = dedication (熱心さ、献身)
* r = responsibility (責任、義務、負担)
* e = education (教育、⇒enlightenment〔啓発〕、encounters〔出会い・経験〕)
* a = attitude (前向きな態度・考え方)
* m = motivation (動機、やる気)

このカードには概略以下のようなことが書かれている。(私が、要約したもので、訳ではないので、注意ください)

 「人が見ていないときにチャンピオンは生まれる」とし、孤独な仕事も進んですること。(『dedication』は心を込めた大変なコツコツとした努力と言えばいいのだろうか。)
自分自身が成功・不成功の決定要因で、自ら『responsibility』 つまり、ことに対する責任を進んで取るようにするべき。
人生を「壁のないクラスルーム」と考え、『education』を重要視し、啓発、人との出会い・経験を通して、自身の向上の機会を捜し求める必要がある。
前向きな態度・考え方(positive 『attitude』)を持ち続け、「エネルギーを与える人、勇気を与える人」を自分に近づけることが大切である。
常に、やる気のある状態(『motivated』)にしておくこと。人はいろいろ困難さを告げるだろうが、自分の夢を信じることが大切だ。

そのためのexerciseとして、
「自分の夢について考える時間を持つこと(一つ以上の夢を持っているかもしれないが、一度には一つの夢に集中すること)。 自分の夢を目で見えるようにするため、具体的にメモに取ること。 最低一人に自分の夢を話すこと(それにより、夢をかなえる機会が得られることになる)。 "dream band"は、自分の夢を喚起するために役立つもので、常に身に着けること。」 等があげられている。

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 私も、以前から成功実現のために5つの言葉をあげてきた。
その言葉は、DreamChallengeFriendshipSmileそして、Believeの5つである。
実は、もう十年以上前だと思うが、私の子供がテレビで見ていたディズニーの映画か何かで、世界から「光」がなくなり、子供たちで、上記の5つの言葉の意味を考えながら、「光」を取り戻すという話を聞いてから、この5つの言葉を意識するようになった。
私は、この映画(?)をずっと見ていたのではなく、本を読みながらテレビの音が聞こえてきたのを、ところどころ覚えていたことを後で、勝手に意味づけしたので、5つの言葉が正しいかどうかも明確でない。(どなたかこの映画のタイトルと、どうすればそれが手に入るか教えていただければ、ひじょうにうれしいのですが。)
映画では、最初のDreamというのは、Imagination(想像、想像力)だったような気がするが(それも事実かわからない)、今としてはあまり気にせず、Dreamにしている。

この5つの言葉を私が勝手に意味づけしたものが以下のものである。
□ Dream(夢・目標):まず、夢を明確に描こう。できるだけ大きな夢を、具体的に描こう
□ Challenge(前向きな姿勢・挑戦):困難であれば、あるほど前向きにぶつかっていこう
□ Friendship(友情・信頼関係):自分だけのことを考えるのでなく、力を合わせていこう。⇒Partnership
□ Smile(笑顔):これは非常に重要だと思っている。私は、以前苦虫を噛み潰したような顔をして仕事をしていたのだと思う。そんなとき、これも10年ほど前インドネシアの工場で数週間、現地の人と働いて、彼らの笑顔のすばらしさをみて怖い顔をして仕事はしてはいけないなあと強く感じた。(シンガポールの本屋で、インドネシアの旅行ガイドを見ていたら、インドネシア人はよく笑うと書いてあった。この話は事実なのかわからないが、私にとってはまさしくそうであった。)それ以降、笑顔の大切さを肝に銘じている。
□ Believe(信じること):私は、「他人を信じること」より、「自分を信じること」がはるかに難しいと思っている。確かに「他人を信じること」もなかなかできるものではないかもしれない。しかし、「自分を信じること」は中途半端に、その場その場の状況に応じて、自分を騙しながら、自分を納得することではないと思う。きちんとした自己が存在し(ポリシーを持ち)、常に勉強を続け、自分を磨いていかねば、信じられるわけにはいかないから。安易な妥協はしてはならないと思っている。

ということで、偉そうなことを書いてしまった。実はなかなか、自分の夢に近づけないで悶々としている毎日をおくっている自分なのである。正月だから大目に見ていただこう。
ただ、Katlyst Kevin Carrollの"d.r.e.a.m"の話は皆さんにも意味のある話だと思う。
自分の5つの言葉を説明するときに、Dreamに関しては、Kevin Carrollの"d.r.e.a.m"でメタ的に説明することにしようかな…

(注1) Kevin Carrollについて (The Katalyst ConsultancyのHPより)
彼は10年間空軍で数カ国語に通じた人(クロアチア語、チェコ語、セルビア語が自由に話せるようになり、そして、ドイツ語、ロシア語も会話の熟達した)としてすごした。
そして、高校の健康教育者(health educator)、ヘッド・アスレチック・トレーナー(St. Joseph's 大学,Philadelphia 76ers)を経験し、最終的に、Phil Knightに彼の経験を請われ、ナイキに6年間、Katalyst(創造的なアイディアを現実にするのを手助けする人)兼マスター・ストーリーテラー(最上の語り手)として、会社全体にアスレチック製品の理解を深め、強固なチーム、ポジティブな企業文化を作りだす一役を担った。
その後、Katalystとして、種々の会社、組織に、遊びの力と、最大限の人間の潜在力を活用した創造性を促進している。
Kevin Carrollは、 Katalyst Consultancyの創設者であり、"Rules of the Red Rubber Ball: Find and Sustain Your Life's Work"の著者でもある。

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