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Web 2.0の勉強会にて

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先週の金曜日(5月12日)、ある会社の勉強会に招かれ、Web 2.0についての講義をしてきました。タイトルは『Web2.0的サービスとしてのSNSの可能性』。内容はというと、Web 2.0をサービスの視点から捉え、Web 2.0的サービスの8つの特徴について説明したものです。参加者は10人くらい。とても熱心に聞いてもらうことができたので、私の説明にも自然と熱が入りました。

勉強会を主催してくれた会社は、社員数約50人のソフトウェアを開発している会社。ある特定の技術に強味を持っている面白い会社です。すべての説明が終わって質疑応答の時間になった時、その会社の社長がこういう趣旨のことを言いました。

「開発したソフトウエアを、ウェブ上からサービスとして提供する会社がWeb 2.0で、パッケージなどの製品として提供する会社がWeb 1.0という分け方は意味がないんじゃないか。パッケージソフトはなくならないと思う」。

実際その会社は、ウェブアプリケーションとパッケージソフトの割合が半々なんだそうです。中小企業の中には、まだネットの環境が十分に整備されていないところがたくさんあり、パッケージソフトの需要は依然高いとのことでした。この意見には私も賛成です。私もパッケージソフトはなくならないと思います。特に企業向けのパッケージソフトは、まだしばらくの間、主力製品であり続けるはずです。

実は、開発したソフトウェアをウェブからサービスとして提供する「プラットフォームとしてのウェブ」という考え方の裏には、ウェブアプリケーションとして提供することで、開発サイクルを短くするという意味が含まれています。たとえば、先週グーグルが新しいウェブアプリケーションをまとめてリリースしました。従来までのパッケージソフトのリリースでは考えられなかったことです。従来までのパッケージソフト主体のビジネスモデルの考え方では、2、3年に1度バージョンアップすれば、それで良かったからです。

しかし今の時代、そんな長期のリリース計画では顧客からソッポを向けられてしまいます。もっと早いタイミングでサービスをリリースしていくことが必要です。「プラットフォームとしてのウェブ」という考え方の裏には、「早いタイミングでのリリースを実現するためにも、できるだけウェブ上からサービスとして提供する」という意味が込められているのです。『What IS Web 2.0』の中で紹介されている「ソフトウェア・リリースサイクルの終焉」と、密接にリンクしていることになります。

大事なことは、ソフトウェアの性質と顧客の種類に応じて、ウェブアプリケーションとパッケージソフトを使い分けることです。Web 2.0は、本来とても柔軟な思想です。選択肢は1つだけではありません。

 
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