日本の強さと弱さ今昔、ジャパン・アズ・ナンバーワン
「Japan as No.1」
79年に出版された、日本研究の本。
当時、急速な成長を遂げ、経済的にアメリカの脅威になってきていた日本の強みを分析しています。
官僚システム、終身雇用や家族主義の企業文化、その他アメリカとは違う日本の社会システム。
79年といえば、おそらく大半の日本人が、明日は今日より素晴らしく、未来は前途洋々だと感じていた頃ではないでしょうか。
ジャパン・アズ・ナンバーワンは、そうだ、「日本はもう、あるいはまもなく、世界一だ」と誇らしく感じた響きだと思います。
この本の存在は知っていましたが、実は先日初めて読みました。
良書です。
それも、今読むからこそ、なお、そう思う次第。
もしかしたら、バブルに向かう頃に手にとっていたら、単に日本賛美と理解して、まあそうだね、で通りすぎていたような気がします。
しかし、今、あらためて呼んでみると、いろいろなことに思いめぐらされます。
出版から40年の日本が、何を得て、何を失ったのか。どう変わろうとしたのか、どう変わらなかったのか。
私にとっては、この本が追っかけている時代は、もう物心ついてきていたので、リアルタイムで見聞きした日本なので、よりリアリティが感じられたかもしれません。
逆に、平成生まれ世代が読むとまた違った理解があるかもしれません。
いずれにせよ、今の時代に、あらためて読んでみて損はない一冊だと思います。
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*ご参考までにAMAZONだとこちら、ジャパン・アズ・ナンバーワン (エズラ・F. ヴォーゲル)
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追記
読んでいて、当時の日本を振り返って、どちらかというと非リベラル、保守的、個人よりも社会を優先する雰囲気は、現代からするとダメなところが多々あるものの、それが強さのもとだった面も否定できないと感じました。
そして、それは、実は発展途上国の今にも通じるのではないかと感じました。
日本人が読む場合、アメリカ人が読む場合、発展途上国の人が読む場合、これまたそれぞれ違いありそうな気がします。
ラオスをはじめとする東南アジア新興国に関わっている観点からは、日本の文化や歴史についてある程度バックグラウンドを持った留学組や日本と関わる仕事をしている人には、ぜひオススメしたい。