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淘汰はもう始まっている:波乱の米国グルーポン系サイト市場

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昨日は「グルーポン・グッズ」という新サービスに関する記事をご紹介しましたが、先日、グルーポンがらみの記事をもうひとつ書いていたので続いてご紹介。「グルーポン系サイト」の淘汰はもう始まっている・・・といった内容です。興味がある方はどうぞ。

日本では「グルーポン系サイト」などと呼ばれているようだが、一定の購買客を集めることを目的に割引クーポンを期間限定で売りさばく「共同購入型クーポン・サイト」や、登録会員限定で期間限定セールを展開する「フラッシュ・セール・サイト」が熱い!という話を聞いたのはつい3ヶ月前のこと。しかし、アメリカではこの手のサイトの淘汰がすでに始まっているようだ。


グルーポン、ロサンゼルス


ほんの数カ月前まで、アメリカ国内だけでも530個ほどあるといわれていたグルーポン系サイトは、その3分の1近くがはやくも倒産や買収の憂き目を辿ったようだ。

だいたいにおいて、「グルーポン系サイト」の参入障壁は極めて低い。そこで数多の同類サイトが乱立し、市場競争が短期間で激化した挙句に、新規顧客の獲得に莫大なコストを要するようになった。

「グルーポン系サイト」がまだ目新しかったころには、黙っていても顧客が寄ってきたが、もはやそういうわけにはいかない。新規顧客に登録してもらうためには、派手な広告を打ったり、ある程度お金のかかるマーケティング活動をする必要がでてきた。そうなると、新参企業や小規模の企業はやっていけない。かくして、グルーポンリビング・ソーシャルなど大手が断然優勢な市場になってきているということだ。

かくいうグルーポンも、株式上場申請時にデータを開示した際に、そのマーケティング・コストの莫大さに比べて顧客離反率の高さが問題視され批判を浴びた。同社は2011年上四半期だけで約3.8億ドルをマーケティングに費やしている。新規顧客一人当たりの獲得コストも、2010年第1四半期に7.99ドルだったのが、同年第2四半期には23.46ドルと3倍近くになった。

もとより米国では、「グルーポン系サイト」を、「ネット・ビジネスの皮をかぶった広告代理店ビジネス」と呼ぶ人もいるくらいで、割引クーポンを提供してくれる広告主を確保するためにそれ相応の営業力を必要とするビジネスだ。売上を増やそうとすれば営業の頭数も増やさなくてはならないという、意外にオーソドックスなビジネスなのである。

世界最大のSNSフェイスブックや米国最大のユーザー・レビュー・サイトイェルプ(Yelp)も同様なサービスに手を染めたが、フェイスブックは先月早くもこれを終了し、イェルプもその営業チームを半分にカットするなど大幅にスケールダウンした。

フェイスブックやイェルプなど、米国ネット・ビジネスの大物たちの反応を見ても、「グルーポン系サイト」の将来が波乱に満ちたものであることは明白だろう。現在、繰り広げられている淘汰のあらましから、「勝者の条件」が浮き彫りになってくるように思う。


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