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盛り上がるブレストばかりが良いブレストじゃない。沈黙も含めて大事にしたい。(アイデア・デザイン・創造学を研究しているといろんなTipsに触れます。600文字で紹介します。)

840円で買えるもの

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アイデアプラント代表の石井力重です。アイデアワークショップを設計したりファリシテーションしたりしています。一回仙台を出ると鞄2つで何千キロも陸路を行くような日々です。

最近、新横浜から数駅の所に滞在していました。そこで、短距離の新幹線料金について、意外と乗ったほうが得なんじゃないか、と、認識が変わりました。

東京駅→新横浜駅。
新幹線特急券840円。

この区間を在来線で行こうとすると結構乗り換えが面倒で、かつ、かなり混んでいる中を行くことになります。日中でもかなり混んでいます。

昔、東京で会社員をしていた時に新横浜に行くのは、とても体力を奪われて、仕事の足取りが重くなる、ということを経験していたのもあって、印象的にとても、「ああ、面倒な場所だな」と思っていました。それでも、当時は、その区間を新幹線に乗る、というのはとても贅沢だとおもって、在来線に乗り続けていました。

今回、東北新幹線を南下して、東京駅から新横浜に行くときに、かなり体調が悪かったので、東海道新幹線に乗り換えることにしました。

新幹線というのは短い区間でも、結構高い。そんなイメージがありましたが、冷静に考えてみると

マイナス面=新幹線特急券は840円。
プラス面=在来線の移動の一時間に対し乗車20分。座れる可能性高し。かつ、残り40分は自由になります。

それに、ということで、この写真を見てください。

840yen.jpg

(ピントをあわせる場所は切符ではなく、座席にするべきでした。。)

平日の午後の新幹線の自由席です。東京駅を出発するまでの5分の間に私以外に乗客がいなくて、発車直前に二人駆けこんできました。それでも、この車両は3人だけ。実に快適です。

これについても、私の中で発見でした。

東海道新幹線というのは「のぞみ」に乗るものだ。できれば、N700系で電源席を確保するのだ。という意識が大前提にあって、「こだま」に乗るというのは選択肢に全くありませんでした。ですが、今回は、新横までいけばいいので、別にどれに乗ってもいいわけです。ホームについたら、直後に「のぞみ」、3分後の「ひかり」、7分後の「こだま」がありました。東北新幹線では、各駅停車のやまびこはすいていますが、もしや、とおもって、のってみると、こだま、はこんなにすいていました。※

数分待ってこだまにのってこれぐらい広々いられるならば、まったくもってありだな、と思いました。それでも、在来線で行くよりも30分早いです。

(※ ただし、品川からは結構な数の乗客が乗ってきました。それでも、各3人掛けシートに乗客一人、というぐらいの状態でしたが。)

普段、30分の時間を純粋に捻出するのに、いくらのコストをかけているのだろう、と思うと、今まで不合理な判断をしていたなぁと思います。

ちなみに、この旅の間、840円、という数字が偶然何度も出現しました。

ホテルから、アマゾンの小箱をつかって送った衣類。ヤマトの送料が840円。
東京駅でみかけた、ユーハイムのピラミッドケーキを一節分にカットしたもの、840円(ググっても見つけられず、記憶で書いています)。

840円で買えるもの。

それは、なんというか、いま周りで、ちょっとした生活や行動の便利をもら足らす金額としての最小のユニットなのかなぁと、思ったりしていました。

最後になって、主張がぼけましたが、普段自分が何かを得るためにかけているコストから考えると、時には、特急券を選ぶのも十分ありなんだぁと思ったのでした。実際、長旅で疲れがたまってくると、マッサージ師さんをお願いしようか、という気持ちになりますが、それは5000円とかかかるわけで、そういう費用を「疲れないための費用」に分散して回すと、結構、日々の行動は快適になる、そんな風に最近思っていました。
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