「はがせるアンダーライン」を自作してみました
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貴重な本に思いっきり線を引きたい!
貴重な本を持つ、というのは、ひそかな喜びでもあります。でも、線を引こうかという時に「うーむ、本当にこの部分が重要かどうか、見極めてからにしよう」と躊躇することがあります。
そういうことを長年しているうちに、「あとでいやになったら、つるっときれいさっぱり剥がせるアンダーライン」ものがあったら、と思っていました。
そこで、書斎にあるもので、いろいろテストしてみました。半年ぐらいやってみて、よかったので紹介します。
まずはその実際の様子から。
しっかり紙面について、袖がふれたりなんだりしても、全くずれたりしません。その一方ではがそう、と思ったら、するっとはがせます。
違う色でもやってみました。
この本もアマゾンでは買えない厚い本で、線を引くのを5年ぐらいためらっていましたが、引いてみると、おお、いいなぁと。
次は、すこし大量の領域に線を引きたい時、面倒なので、アンダーラインじゃない形状にしました。始めと終わりにマークをつける、そんな方向性です。
正確な引用をあとでしようと思って、ちょっと貼り付けたのですが、十分でした。ただし、始めと終わりがわからないかなと思いペンで書きこみました。これは、形を工夫すれば十分だったとあとで気が付きました。
そして、この時、書き込んでみて気が付きました。ポイントを、空きスペースに書く行為も、同じように可能なのだと。
こんな感じです。
(脱線ですが:肉筆で残す文字は、書いた当時を思い出しやすいみたいで、開くたびに、この部分が重要だと思っていた自分の思考を巻き戻して感じなおすことができますね。)
この「はがせるアンダーライン」に適した素材、実はずいぶん前に試してあきらめていました。というのも、世の中の粘着物は、はがれやすいか、はがれにくいか、のどちらかであったからです。
ただ、今回は、ポスト・イットラベルシール(私はこれを、強粘着ポストイット、と呼んでいます。以下、その名称で書かせてください。)を使ってみたところ、とても快適に目的が達成できました。強粘着ポストイットのA4サイズのものをよく使っているのですが、はがした後に余る細長い部分があります。たくさん消費するのでたくさん余る。その部分を台紙からはがさず、グルーレスハサミ(糊の付かないはさみ)で白髪ねぎみたいに細くしてたくさん用意しました。そして、線を引きたい時に張りました。長すぎる場合は手でちぎりました。
「でも、こういう思いつきって、長く使ってみると、使いにくいこととかあるんじゃないの?」
と冷静な自分もいます。そう思って、数か月ぐらい使ってみました。
いくつかの気づきがあります。
【プラス】
- 気軽に線が引けるようになった。
- 紙面上の線を自然となでている。
- 黒い面でもパキッと。
- 違うなと思えば、即はがせる
2つ目と3つ目は当初は思わなかった発見でした。
強粘着ポストイットは紙一枚分の厚さなのですが、紙面上を触れば感触があります。アンダーラインが手触りを持つ、というのは面白い体験で、自然とその部分を指でなでていました。いわば「知識の手触り」のような感じがでて、気持ちよかったです。
雑誌にあるような写真ページで黒い紙面に白い文字、などの場合、アンダーラインでもマーカーでも発色が上手く出ないのが普通ですが、これだとパキッと色が出て(というか紙を張り付けているので当たり前ですが)どこでもしっかり線が引けることが気持ちよく感じました。
【マイナス】
- 時間が少しかかる
- ゴミが出る
悪いところもないだろうか、という視点でもよく見てみると、2点ありました。
線を引くために台紙をはがしますが、爪がないとはがすのに手間取るりました。はがすのに2~3秒かかります。また、紙面に貼り付けるときに位置合わせをするのでワンテンポ、ペンで書くより時間がかかります。(ただ、位置合わせがラフでもいいんだと、わかれば後は早くなりましたが)。
また、はがした台紙がゴミになります。外でするなら、細いゴミをちまちまポケットにしまっていくことになります。(書斎の中でやっている分には気になりませんでしたが)。
以上です。
「貴重な本で、線が引けない。でも引きたい」をかなえる方法として、こんな方法もあるかなと思い、試してみました。
石井力重(いしいりきえ)
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今回、自作に使ったもの:
エーワン [ポスト・イット]ラベルシール[プリンタ兼用]A4 65面 4色アソート 84965
ハサミ<エアロフィット>スリム グルーレス刃 橙
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