パートナー企業さま向けAzure日本語情報サイト、はじめました。
先日Azureの日本語情報についてまとめさせていただいたが、数日前より
パートナー企業さま向けのWindowsAzure情報日本語サイトがオープン
しているのでご紹介しておきたい。
これまで、WindowsAzureに関する情報は開発者向け、さらにどちらか
というと腕に覚えがあり、多少のリスクがあろうと新しい技術に対する
チャレンジ精神旺盛な方々とつくりあげてきたわけだが、少しずつ
敷居を下げて間口を広げる方向に状況が変わりつつある。
このAzure情報ページは、マイクロソフトのパートナー企業さまに
お勤めの皆様であればお馴染みのMicrosoft Partner Networkサイト内に、
作成されている。まだ日本語への翻訳はポータルページの他数ページに
とどまっており、英語のページへのリンクや準備中のものも中にはあるが、
今後パートナー様向けのコンテンツを充実させてゆく予定である。
PDC09でDallasやPinPointといった新しいサービスのコードネームを聞いて
情報がまだ少なくなんのことやらよくわからない、という方もいらしたと
思われるが、このページ(PinPointはGreenLight経由)からリンクされて
いることでお分かりの通り、パートナー企業のみなさまが、ビジネスに活用
していただくための枠組みなのである。
1点ご注意いただきたいのは、WindowsAzureには今のところ明確な
再販モデルというのが存在していない点である。これはある意味当たり前で、
アプリケーションを稼働させるためのプラットフォームでしかない今の
Azureの上に独自のアプリや付加サービスを組み合わせて商品を
作っていただくことを前提としているためだ。Azureの利用権だけを
購入してもエンドユーザーが何かの役に立てられるものではない。
パッケージソフトを開発、販売してきたISVパートナーさまであれば、
このモデルにさほど抵抗もなく移っていただけると思われるが、
SIパートナーの場合は多少工夫が必要になる。たとえば、Azure上でも
再利用できそうな.NET開発資産をクラウド用のコンポーネントとして
整備しなおしているような企業さまもではじめてきている。
つまるところ、ライセンスを再販して利ザヤを得るモデルのままAzureに、
というか他社も含めたクラウドのモデルに適応するのは難しいだろう。
クラウド時代に自社がどういう付加価値を作れるか、真剣に考えるべき
タイミングがもう来ているのである。
アプリの監視・運用、手厚い問い合わせ対応、多様な課金サービスなど、
サービス・事業の立ち上げ当初でまだマイクロソフトさんの脇の甘い
(とかいうと怒られるかもしれないが…)時期にビジネスチャンスを見つけ、
デファクトスタンダード的なポジションをとってしまってはいかがだろうか?
お客様が描くクラウドへの幻想的な理想像と現状のギャップを冷静に
とらえれば、新しいアプリケーションやビジネスのヒントが多く転がって
いるように思われるのだが…。Azureは、というよりマイクロソフトの
クラウドビジネスは、マイクロソフトだけの一人勝ちビジネスではない。
クライアントやサーバー向けのOSでもそうだったように、
多くのパートナー企業のみなさまと共につくりあげてゆくものなのである。