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クラウド戦役をZガンダム視点でわかりやすく解説するブログ+時々書評。

ジオン脅威のテクノロジを結集したガンプラ工場にかぶる次世代データセンターの姿

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世界唯一のガンプラ工場である、バンダイホビーセンターが静岡ホビーショーにあわせ、
今週末5月16日、17日に一般公開される。

1980年の発売開始より累計3億9,300万個販売されているガンプラの商品企画から
生産までを一貫して行っているガンプラの聖地である。2006年2月に竣工したばかりの
最新生産設備で、成形、金型などの製造工場を全て集約し、製造ラインもほとんどが
自動化されている。

建物外壁の高さは初代ガンダムの高さと同じであり、射出成型機がホワイトベースだったり、
自動搬送機がザクやシャア専用ザクのようになっていたり、従業員は全員地球連邦軍の制服
のような制服を着ている。階級章も役職連動である。全体からガンダムへの愛がにじみでている。

ガンプラを作ったことがないという人には是非自分の手で組み立ててみて欲しいのだが、
時間がないという人は「俺たちのガンダムビジネス」を読んでみていただきたい。
子供向けオモチャとしてのレッテルを覆し、スケールモデルとしてオトナにも訴求してゆく
戦いの過程が担当社の視点で熱く語られている。もの創りの魂を忘れかけている人にもお勧めだ。

これだけのヒット商品となっているにも関わらず、このバンダイホビーセンターが世界唯一の
生産拠点になっているのには理由がある。プラモデルビジネスは原材料費が安いかわりに、
射出成型器と型をどのくらい回せるかが勝負の装置産業であり、拠点分散するくらいなら
輸送費をかけてでも集中生産にした方が効率がよい。
そう、ガンプラの製造工程はクラウド的な規模の経済の効く世界なのである。

クラウドと言いながら従来の中小規模データセンターの設備を流用し、スケールアウトを
積極的に追求しないプライベートクラウドという概念もあるが、どうもしっくりこない。
いっそプライベートクラウドという言葉はやめてしまった方が混乱しなくてよいと思うが、
それで補正予算が通ったり業界全体が盛り上がるというのなら、納得しないままに
黙認するのも仕方ないのだろうか。

ただ、やはりクラウドのロマンはパブリッククラウドにある。マイクロソフトの次世代
データセンターのコンセプト
は、屋根もなく広い敷地にコンテナを積み重ねてゆくだけの
まさに規模を追求するための量産型のスペックだ。

マイクロソフトが日本にデータセンターを置くかもしれないという話が先週来一部で
盛り上がっているが、今のところ報じられている以上に具体的な話はない。
ただ、Hotmailのサービス向上のために日本に設置したということは、
ビジネスマターで儲かるならやれるかもしれないという期待を抱かせる。

内需への配慮などともっともらしい理由をつけて、変に鎖国して携帯ガラパゴス化のような
悲劇を生む前に、超大規模データセンターの最新技術やノウハウを積極的に誘致した方が
技術者へのよい影響も期待でき、自国の技術レベル向上に役立つものと思われるがいかがだろうか。
少なくとも日本だけで使うのではなく、アジア圏全体の中心拠点になるくらいの意気込みが
欲しいところである。

冒頭で紹介したバンダイホビーセンターでは、通常も見学を受け入れているが、
静岡ホビーショーにおけるパブリックビューイングでは、オリジナルグッズの販売や
開発担当社のトークショーも行われるお祭りに仕立てられている。
「生産現場の熱気をより多くのお客様に感じて頂きたい」との思いから発展した
取り組みとのことである。

セキュリティなどの観点からクラウドデータセンターを一般公開するわけには
いかないだろうが、現場の熱気を伝える志は見習いたいものである。

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