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マイクロソフトがBingでGoogle支配の続くネット検索のミリタリーバランスを本気で崩しにかかる

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すでに多く報道されているとおり、Google対抗の本陣となる新検索サービス
Bingを、バルマーがD7(All Things Digital@サンディエゴ)で発表した。
being.comはまだ準備中だが、プロモーションの動画を見ることができる。

Binglogo_reverse

>> Google対抗「Bing検索」を写真でチェック(アイティメディア)
>> Microsoft、新検索エンジン「Bing」を発表(アイティメディア)
>> [DJ] なぜ「Bing」なのか―MSのバルマーCEO、新検索エンジンを語る(アイティメディア)
>> マイクロソフト、新検索エンジン「Bing」を発表(Cnet)
>> プレスキット(マイクロソフト)

日本含むグローバルローンチ(しばらくはβ)までもそれほど時間を要さないため、
もうしばらくの間、楽しみにしていていただきたい。これまでもマイクロソフト社内で
極秘裏に先行テストが行われてきたが、Webキーワード検索としての
基本性能は体感速度、ヒット結果やソート順の妥当性など、マイクロソフト社員でありながら
Google中毒から抜けられなかった私にとっても全般的に申し分ない。
これまでのLive Serchからは大きく改善されている。

加えて、位置情報やECサイトなどのメタデータをマッシュアップすることで
利用しやすいサービスとなっている。これまで、Live Serarch Mapや
Virtual Earthとして提供されてきた2D、3D、鳥瞰図を組み合わせた空間情報が
ジオロケーションサービスと組み合わせて提供される。

これは即ちネットユーザーとしての利便性向上だけにとどまらず、外部からの
API利用においてもその価値が向上していることを意味する。これまでGoogle頼み
一本槍だったWebサービスにそろそろ飽きてきている開発者は必見だ。

APIについては、こちらのサイトで開発担当者の動画が公開されている。
VIDEOS > Search and the API
他にも動画による説明(英語)が多数掲載されているので「behind」が
気になる方はチェックしていただきたい。

動画の後半でRoopali Kaujalgiが紹介しているが、Bingで提供されるAPIは
現在 Live Search API 2.0 としてMSDNで公開しているものからの発展となる。
すでに開発を進めている方がいれば、安心して進めていただきたい。
もちろん、さらなる発展についても計画されている。

公開後のBingサイト上(おそらく右上)で、プルダウンメニュー「その他」から
デベロッパーセンターへのリンクを見つけていただきたい。
AppIDを取得すればすぐにAPIを活用した開発、利用が可能になる。

まだ日本語での情報が少なくて申し訳ないが、今後の発表に傾聴していただきたい。

ガンオタの眼には、このBingがRX-78GP03デンドロビウムに見えてきたのではなかろうか。
ご存じの通り連邦軍が多額の資金を投じて進めたガンダム開発計画で完成した機体の
1つで、MSの汎用性とMAの攻撃力を兼ね備えた超巨大機動兵器である。

デンドロビウムは武装満載の炸薬庫的アームドベース・オーキスと、その中核をなす
RX-78GP03Sステイメンで構成されている。ネット上の莫大な情報のメタデータを扱う
スケーラビリティをもった巨大なファシリティで運用しながらも、APIを通じて機動的に
機能を呼び出すことができる二面性を持ち合わせている。そして、U.C.0083年時点で
オーバーテクノロジだった全天周モニタや合体あるいは変形によるモビルアーマー的運用
などはU.C.0087年以降のグリプス戦役で開発されるモビルスーツ群に影響を与えている。

先日触れたレイ・オジーの投資家向け説明会では、赤字のネット事業に資金を投じすぎ
なのではないか?という金融方面の方々のつっこみを一蹴する場面もあった。
頼れるチーフアーキテクトであるレイ・オジーが財務屋から守った開発資金を投じて
第一弾を完成までこぎ着け、今後も継続的に発展してゆくBingを検索サービス・API
として無償で公開するとなれば、これを利用しない手はないだろう。
超巨大ストレージや分散コンピューティングなど、汎用的なクラウドに応用可能な
要素技術や運用ノウハウは、ゆくゆくサービス化が進んだ世の中になった頃に大きな
資産になると、レイ・オジーだけでなくマイクロソフトの総意として信じている。

他の誰かが道を切り開き、それを量産、コモディティ化して世の中に広め役立ててゆくのが
マイクロソフト必勝の王道。ネット検索およびそこに連なる広告ビジネスにおいては
もうイノベイターであるGoogleの果たすべき仕事は終わったのかもしれない。

AndroidやWave、Chrome、AppEngineの話題が中心となったGoogle I/Oにぶつけるとは、
バルマーらしい粋な計らいだ。

「あなたは、私にとって遅すぎて。」
「ぼくにとって、ララァは突然過ぎたんだ。人同士ってこんなものなんだよな。」

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