海外旅行・出張危険回避講座 (一読さえすればリスクは最小、そしてあなたは、海外旅行のプロ)その35 迷信アラカルト
海外旅行・出張危険回避講座 (一読さえすればリスクは最小、そしてあなたは、海外旅行のプロ)その35 迷信アラカルト
中国で開かれた学会で、私が発表した後、中国人の女性の研究者から、私の発表内容の資料を欲しいと頼まれたので、私はコピーを取って、忘れてはいけないので、彼女の名前を、目立つように赤いボールペンで書いて、次の日に渡したら、彼女が、私に「これはダメです」と侮辱されたように、書類を私に突っ返して言う。
「どうしたんですか」と尋ねると、
「私の名前を赤で書かないでください」と真顔でいう。
中国では、名前を赤で書くのは葬式の時だと言う。
出張者と一緒に、ベトナムの田舎の大衆レストランで、食事を頼んだら、大盛のご飯に2本の箸を立てて持ってきた。出張者が「それは日本では葬式に使う」と懸命に説明しようとしたが、通じなかった。
ベトナムで、生まれたての赤ちゃんを抱いた友人のお母さんに、「可愛い赤ちゃんですね」と言うと、怒ったように、さっと子どもを抱えて奥に行ってしまった。聞くと、人の赤ちゃんに「可愛いですね」と大声で言うと、それを天上の悪魔が聞いて、その赤ちゃんをさらっていってしまうという。そんな場合は、口に手の平を立てて、「チョンビア(ここだけの話だが)」と小さく言ってから、静かに誉める。こうすれば悪魔には聞こえないという。
ベトナムの民家の玄関の外の上に、小さな鏡が取りつけてある。「この鏡はなんだろう」というと、「それは悪魔よけです。悪魔が家の前にきて、鏡を見ると、みにくい自分の顔に驚いて、逃げていくという話だ。
ベトナムでは、お父さんが朝、仕事で出かける時、あるいは子どもが受験に出かける時に、家を出て、まず最初に女性に出会うと、仕事がうまくいかない。受験に失敗するという迷信があり、わざわざ毎朝、家の外に、男性を配置して、主人が出ていくということもある。その他、ベトナムには、無数の迷信がある。
中でも、赤ちゃんが生まれて20日間は、その家を訪問してはならないというのがある。その家を訪問したら、新生児が死んでしまったら、恨みを一身に受けることになりかねない。
テト(ベトナムの正月)の元旦の朝、一番に友だちの家に行く時は注意する。テトの最初の日の朝に、やってきた客がその年の1年の縁起を決める決定的人物であるとされる。ベトナムの多くの家族では、有力者をわざわざテトの元旦に家に呼ぶようにしている。
ネパールだって、負けてはいない。迷信はヒマラヤの山ほどある。
事務所で、部下が仕事にでかけるので、
「どこへ行くんだ」と、私が聞いたら、急に怒り出した。ネパールでは、出かける時に、「どこへ行くんだ」と尋ねられると、仕事がうまくいかないという。これを真面目に言う。実際に友人が自分の子供に怒っているのを見たことがある。その他、土曜日は旅に出てはいけないとか、曜日毎の禁忌がある。
私は事務所では、みんなに「あなた方が出かける時に、私は『どこに行くんだ?』とは訊かない。その代わりに、私が言う前に、あなた方は「~に行きます」と私に必ず言うこと。言ってでていかないとダメ」というルールを作った。
どんな国に行っても、迷信がある。迷信は歴史から来たもの、言語の音から来た不吉な言葉に似ているもの、最近外国から取り入れたものなど多彩だ。
黒ネコが前を横切ったら、友人のネパール人が、十字を切っている。「あれ、君はヒンズー教徒だろう」というと、「これはヨーロッパ人から取り入れたんだ」という。
「そんなもの、取り入れるなよ。ますます混乱する」
海外を旅していて、中近東では、子どもの頭をなでることは避けるなど、いっぱいタブーや禁忌がある。神経質にならず、逆に新しい国を旅するなら、その国の迷信やタブーを調べて、記録に取っておくとすごく面白い。ただ、わざわざやってはいけない。
ポイント
(1)旅行者が、知らずに、迷信で、恨みを買うことは、まずい。
(2)他の国の迷信を嘲ったり、あざ笑うともっとまずい。
(3)わざわざいたずらでも、迷信に反する必要はない。
(4)読者のみなさん 各国の変わった迷信をご存じなら、書き込んでください!
アイデアマラソン一口メモ
小さい子どもの内に、ものを正確に見て、書き留める技を身に着けさせようとするのが、プレ・アイデアマラソンの「めだか」というシステムだ。これを現在は全国6つの幼稚園と2つの保育園で毎日実践している。約600人の子どもたちが毎日実行している。絵画の名人と発想の天才を兼ね備えさせる計画として、「ダビンチ計画」と呼んでいる。
最新刊のアイデアマラソンの本
「仕事ができる人のノート術」(東洋経済新報社)
一読すればあなたも、毎日発想を残すことができる。それがあなたの財産だ。