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商社マンの営業として33年間(うち海外生活21年間)、国内外で様々な体験をした。更に、アイデアマラソンのノートには、思いつきを書き続けて27年間、読者の参考になるエピソードや体験がたくさんある。今まで3年半、ITmediaのビジネスコラム「樋口健夫の笑うアイデア動かす発想」で毎週コラムを書き続けてきたが、私の体験や発想をさらに広く提供することが読者の参考になるはずと思い、ブログを開設することにした。一読されれば「読むワクチン」として、効果があるだろう。

若者よ、海外に雄飛せよ その21 オーストラリアへのイタリア人移民の話

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若者よ、海外に雄飛せよ その21 オーストラリアへのイタリア人移民の話


 私がオーストラリアに留学していたころだから、1967年、68年。
相当古い話だ。当時のオーストラリアでは、まだ白豪と呼ばれて、アジア人の移民は難しかったが、白人の移民は割に簡単だったようだ。

 その当時、一人のイタリア人の若者が移民してきたとする。背が高くて、スマートだが、英語は全然話せず、教育も中学卒程度だが、年齢は18歳程度。彼は、オーストラリアに到着すると、まず清掃の仕事に就く。

 つまり清掃車の後ろにぶら下がって、家の前の通りのごみ箱の内容を清掃車の後ろにぶち込む仕事だ。スニーカーで、短パンで、上半身裸で、車の後ろにぶら下がって、家の前のごみ箱を担いでは、車の後ろに投げ込んでいく仕事だ。背中も日焼けしていたが、車から飛び降り、飛び乗りして、仕事をこなしていた。

「彼らの給料は、悪くない」と、同じ下宿の若い銀行員が私に話してくれた。
彼らイタリア人の若者の新移民は、まず清掃車の後ろで仕事を2年ほどする。そうすれば、かなりの貯金ができる。その貯金で学校へ行って、英語を覚える。昼間は八百屋さんを手伝う。

 英語ができるようになれば、Caféの店員になる。そのまま八百屋さんで独立する者もいる。こうして、落ち着いて生活ができるようになるという。このようなコースを通るイタリア人移民が多いとのこと。もちろん中にはマフィアのような者もいると言っていた。

 40年間で、移民の種類が変わった。中国人、ベトナム人が多数オーストラリアに入ってきている。そして、オーストラリアは、フェアな国だから、中国人もベトナム人も自国民として扱っている。
 日本人の若者がオーストラリアに長期滞在するには、私の理解している限りでは、留学か、しかるべき理由があってオーストラリアで仕事をするという以外に方法はない。しかし、留学しながら清掃車の後ろにぶら下がる仕事をすることは、可能なのかもしれないが、保証できない。

 オーストラリアに留学して大学を卒業したとしても、オーストラリア国内では、かなりの就職難だ。しかし、それだけの語学を持って帰れば、日本では就職はかなり楽になるだろう。

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