海外旅行・出張危険回避講座 (一読さえすればリスクは最小、そしてあなたは、海外旅行のプロ) その27 官憲の不法行為
海外旅行・出張危険回避講座
(一読さえすればリスクは最小、そしてあなたは、海外旅行のプロ) その27 官憲の不法行為
友人と二人で、モロッコのタンジールからスペインのアルヘシラスに船で渡る時、税関の前に数百人の長い列ができた。
列に並んで長い時間を掛けて、パスポートコントロールにたどり着き、パスポートを制服の係官に提出したら、「あなた方は飛行機でカサブランカに入国していますから、飛行機で出国しなければなりません」と言う。
「そんなルールなんて聞いていない」と言うと、パスポートを突き返してきて、「そっちで待ちなさい」と事務所の横を指さした。
私は友人に荷物を預けて走り出した。船の出航の時間が迫っている。税関の前に並んでいた旅行会社に飛び込んで、「英語を話す人はいますか?」と探し、事情を話したら、「そんなルールはない」という。その時に分かった。
私たち二人が、パスポートコントロールの長い列に並び始めた時に、一人の一般人の男が近づいてきて、「お助けしましょうか」と聞いてきた。
助けてもらう必要など何もないので、「要らない」と断ったら、「いや、要るようになりますよ」と、ニヤッとして、不穏で不気味な発言をしながら、去っていったのだ。
(なるほど、分かった。やりやがったな)
あくまで推測だが、そのパスポートコントロールの係官とその男とはつるんでいて、おじさんが旅行客に声を掛けて、多分、長い列を省略して、係官にパスポートを先に出し、優先手続きを済ませて、旅行客からお礼をもらい、後でその係官にもお礼の一部が回る仕組みになっているのだ。
だからサービス提供を断った旅行客をいじめるために、その男は、係官に「この列の後の、東洋人2人を懲らしめてくれ」と頼んだのだろう。
(ようし、こうなったら徹底的に戦ってやろう。それはまず他の係官に問い合わせをすることだ)と、私はまた汗をかきながら、税関まで戻った。税関の横に立っていた別の係官に、事情を話したら、「そのようなルールはない」と言う。「ではどうすれば良いか?」というと、「列に並んで、もう一度出しなさい」と言われて、また、長い列に加わった。
列の先頭に来たら、先ほどの係官は、いなくなっていた。拍子抜けだった。まったく問題なく、私たちは船に乗り込むことができた。ただ気分は最悪だった。
海外には、官憲の中にも、悪人がいる。フィリピンのマニラでは、いくつかの土産を鞄に入れていたら、どうどうと「一つくれないか」と要求された。
インドのカルカッタについて、こんなことわざがある。「カルカッタの上空を飛行機で通過する時は、自分の財布を手でしっかりと押さえていた方がよい」というのだ。それほど物騒だという。
実際にインドのカルカッタから出国する時に、セキュリティチェックで、単にX線でチェックするだけでなく、すべての手鞄の中を係官がいちいち開けて、内容をチェックするが、その鞄に入れていた携帯電話を、なんと係官に盗まれた。
セキュリティチェック直前に鞄に入れて、機内で見たらなかったのだ。それもセキュリティチェックの係官に盗まれたのだから、ジョークにもならない。
ナイジェリアでは、悪徳警官はざらにいる。何度も脅された。怖い目に遭い掛けた。日本がどれだけ平和でマシか心底から感じた。
ポイント
(1)悪徳役人・警官がいる国は本当に哀しい国が多い。不当なことを要求されても、聞こえない顔をして、黙っているのが一番だという。税関の悪徳役人たちは、稼ぐのに忙しく、頑固で、どうしようもない黙っている旅行者といつまでも、付き合っていられない。忙しいのだ。あきらめて、次の旅客に向かって行き、あなたは無罪放免となる。
(2)何も悪いことをしていない。何も変なものを持っていないとすれば、堂々としていれば良い。早く外に出たいと焦ると、足元を見られる。
(3)怒り狂うことは、最後の最後だ。悪徳役人は、仲間にもあまり知られたくないこともあるが、全員が悪徳役人だと、結託されて、うその証言をされることもある。
(4)悪徳警官の場合、侮辱されたと他の警官に証言されると、無実の罪をなすりつけられる。
アイデアマラソン一口メモ
アイデアマラソンは、現在、米国、韓国、タイ、ドイツ、トルコ、インドに実行者が増えている。アイデアマラソンを考案したのが、1984年であるから、すでに28年間実行してきた。普通、発想法の考案者は、考案した発想法を、毎日、それも28年間も続けることは、めったにない。現在の実行者数は、2000名を超えていると思われる。現在も、金沢学院大学、大手前大学、大月短期大学、北陸先端科学技術大学院大学などで多数の学生たちが、毎日、アイデアマラソンの発想を、ノートに書き留めている。
最新刊のアイデアマラソンの本
「仕事ができる人のノート術」(東洋経済新報社)
一読すればあなたも、毎日発想を残すことができる。それがあなたの財産だ。