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仮想環境における「うるさい隣人」問題

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おはようございます。もう今週末で10月も終わりですね。私の会社は第3四半期が終わりまして、これから年度最後の第4四半期に入ります。年末年始も入りつつ、今年の締めくくる重要な業務をしたり来年の計画も作ったりと、とても重要な時期になりますね。気を引き締めて頑張ります!

さて、最近良く話題に登ってくる、仮想化環境における「うるさい隣人 (Noisy Neighbours)」問題についてお話します。

IT市場ではオンプレミスで自ら物理サーバーを構築し維持管理するという従来からの手法から仮想化されたサーバーを利用することで効率化をはかる企業が近年非常に増加しつつあります。
しかしその利用用途が拡大するにつれて、現実には当初の想像をはるかに超えるほどの様々な用途のサーバーが仮想化されたひとつのストレージを共有することになってしまい、ストレージのI/Oリソースを取り合いするという導入当初にはあまり想定されなかったクリティカルな状況が増加し問題となってきています。これがノイジーネイバー、日本語でいうところの「うるさい隣人問題」と呼ばれるものです。

■既に市場では様々な「うるさい隣人問題」が顕在化することに

仮想化マシンでは特に大規模なDB処理などが一斉に行われたりしますと、ストレージへの短時間でのアクセスが急増し、他の仮想マシンのレスポンスの急低下やレイテンシ増大などが実際に生じるケースが非常に増えることになってしまいます。ERPなどは仮想化マシンに移行するとサーバーの管理面やコストパフォーマンス面で優位性があることから実行する企業も増えていますが、いざ使い始めてみると想像をはるかに超えるほどパフォーマンスが上がらないという問題に直面することも目立ちはじめています。

また、最近多くの企業が仮想デスクトップ環境を利用しはじめ、ホームワーカーなどに対応した環境構築に取り組み始めていますが、朝の始業時に一斉に従業員がPCを機動することによりブートストームと呼ばれるサーバーやストレージに負荷がかかって処理が追い付かなくなる状況も見られるようになっています。さらにウイルス対策ソフトの定期的なスキャニングやセキュリティパッチの一斉適用などが実施される場合にもストレージI/Oの競合からパフォーマンスが著しく低下する問題が現れるようになってきているのです。

■パフォーマンス維持のためにチェックすべきポイントとは?

こうした仮想化環境でのパフォーマンス低下は、使ってみたら低下してしまったでは話になりませんので、利用当初からパフォーマンスを保つような施策を実施することが必要になります。具体的には5つほどのポイントをチェックする必要があります。

  1. End to Endレインテンシ分析が実現できているか?
    世にいうハイパフォーマンスストレージのシステムといえどもホストCPU、メモリ、ネットワーク、ストレージなどあらゆる場所で障害が発生する可能性を秘めていますからI/Oのレイテンシやその分析についてエンド ツー エンドで瞬時に理解し、レイテンシの問題やその根本的原因を瞬時に特定することができるようにする必要があります。
  2. アプリケーションのパフォーマンスのレーン分け
    I/Oの適正なスケジューリングと低レイテンシを実現し、必要なパフォーマンスのレーン分けとQoSを実現することは最重要課題となります。そのためには、ストレージはアプリケーションを十分に理解している必要があるといえます。
  3. SSD搭載ストレージに対する適切な対応
    最近ではSSD搭載のストレージも多く登場していますが、SSDは独自の動きをしますので、SSD向けのI/O処理ができており、フラッシュの持つパフォーマンスをフルに活かせているストレージ設計になっている必要があるのです。
  4. アプリケーションのワーキングセットに対する適切な対応
    最近仮想化環境は実行されるアプリケーションのアクセスパターンやワーキングセットについて自動的に分析を行い、それに対して最適化を実現できるものが登場していますが、こうした独自の最適化ができているかどうかはしっかりとチェックする必要があります。
  5. 重複の最大限の排除と圧縮の実現
    インライン重複排除や圧縮の実現は加速化環境のパフォーマンス向上の最大のポイントともいえます。最近ではストレージ側がこうしたことを行うことでホストに負荷をかけない仕組みを提供しはじめており、このあたりも実際に利用するストレージがどのようなサービスを提供しているのかしっかりチェックする必要があります。

■仮想マシン単位のパフォーマンス保証を行うストレージも登場

複雑、高度化するうるさい隣人問題に対応して、仮想化環境を前提として開発されたストレージもマーケットに登場しはじめています。こうしたストレージの場合にはVM単位でQoSの自動化を実現することから、VMは全体のリソースから割り当てを受けて利用することができるようになり、LUNやボリューム単位での管理は不要となり、RAIDやブロックサイズなどの設定もその必要はなくなっています。

各仮想マシンのパフォーマンス要件を常に自ら計算し、まわりの仮想マシンのパフォーマンス要件も視野に入れながら、それぞれの仮想マシンのパフォーマンスを最適化することができることになればこのうるさい隣人問題も一気に解決がつくことになるわけです。また専用パフォーマンスレーンを設けることができれば、特定の仮想マシン上のデータベースに急激な負荷が掛かっても、その他の仮想マシンに影響が出ないようにすることも可能になり、このパフォーマンス問題は新たなストレージ商品の登場により解決の方向性に向かいつつあることがわかります。

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