ちょっと気になる「iCould」のサービス名　〜アップル社以外で商標登録されている？〜

　ＷＷＤＣ２０１１にてアップル社から無料クラウド ストレージ サービス「iCould」が発表されたかと思います。サービスの利用には、もう少し待つ必要がありそうですが、日本にやってくる際には「iPhone」のときのように、ちょっと（？）片付けておかなければならない問題もありそうです。

　「iMac」以来、「i####」なる商品は、アップル社のみならず、市場にあふれんばかり投入されてきたかと思います。極々、自然なことですが、サードパーティーも相応のビジネスはしています。

　例のごとく、サクッと調べることが出来る商標について、特許電子図書館で見てみました。

　商標については、以前、ご紹介したように、「３　商標出願・登録情報」を選択して、「iCloud」を入力して検索してみます。

　すると、１件ヒットしました。

　登録番号第５３０２６５６号として、平成２１年９月３０日にて出願され、登録は平成２２年２月１９日となっています。権利者は、「ＧＭＯホスティング＆セキュリティ株式会社」様のようです。ご存知の「GMOクラウド株式会社」は上場企業ですし、実業にてクラウドビジネスもしているかと思います。役務区分も、電子計算機端末による通信など含む複数の区分申請がされているようです。基本的に先願主義ですし、実業をもってして十二分に産業財産権の一つである商標として保護されていると言えるでしょう。

　そもそも、商標は、「商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護すること」（商標法第１条：部分引用）となっており、財やサービスの利用にあたり、利用者が混乱せぬよう、保護する目的を持っています。

　この商標ですが、標準文字商標として登録されており、称呼（呼称ではありません）として、アイクラウドが含まれています。該社の登録は、「iCLOUD」となっており、「iCloud」と英数の大文字、小文字の違いがありますが、商標には類似は侵害の可能性も含みます。最終的には特許庁の判断となるのでしょうが、称呼の類似は大きく影響しそいうです。

　ただし、アップル社の商標の登録が国際登録の場合、パリ条約内のマドリッド協定議定書にて指定加盟国への登録と見なされ商標保護の効力を得ている可能性もあるのかもしれません。

　詳しくは弁理士の先生がお詳しいことと思います。

　いずれにせよ、サービスの利用まで、待ち遠しいことには違いありませんね。