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MVNOのeasyMobile、英国でのサービスを停止へ

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英国、ドイツ、オランダで展開しているMVNO、easyMobileが英国市場でのサービスを暫定的に停止する。理由は、ブランドライセンス契約しているデンマークのテレコム会社TDCが英国市場から撤退するため。ドイツでは別の名称でサービスを続けるようだが、英国ではTDCに代わるテレコムパートナーを探しているところで、12月13日にいったんサービスを終了する。

easyMobileは、格安航空会社のeasyJetでおなじみの英easyGroupのモバイル事業。文字通り、簡単、格安を売りに2005年にMVNOとして英国モバイル市場に参入した。当初から、TDCとブランドライセンス契約し、実際のモバイルオペレータ事業はTDCが行っていた。SIMカードの販売からプリペイドカードのチャージまで、インターネット経由で行うことでコストを削減するというeasyGroupらしいアプローチをとっていたようだ(その後、小売店でも提供したようだが)。開始後1年6ヶ月あまりの間、獲得したユーザー数は8万人。

TDCは投資グループに買収され、戦略を変更、英国市場からは撤退となった。ローンチ当初、“easyMobile”として欧州12カ国で展開すると意気込んでいたようだが、結局英国、オランダ、ドイツの3カ国にとどまったようだ。

easyMobileは11月13日、SMSで英国顧客にこのニュースを知らせた。通話サービスは1ヵ月後の12月13日に終了、12月20日にはすべてのサービスを閉鎖する。乗り換え案としてThe Carphone WarehouseのMVNOサービスを提案しており、番号持ち運びなど顧客がスムーズに移行できるようにするという。それ以外のオペレータへの乗り換え作業も無償でサポートするが、12月20日までに行わない場合、乗り換え作業はサポートできないとしている。

easyGroupを率いるStelios Haji-Ioannou氏は引き続き、モバイル事業に強気の姿勢を見せているようだが、次のパートナーを見つける前に閉鎖してしまうのは、大きな痛手となりそうだ。

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