因果関係を探る習慣の大切さ(中編)
「わかりやすく書く技術」のトレーニングを行っている開米です。
前回、こんな課題テキストを出し、
【課題テキスト】
さまざまな形式の大量データを高い圧縮率で蓄積することにより、省電力と省スペース化が可能になり、環境配慮とコスト削減を同時に実現することができます。
(<文章嫌いではすまされない! > エンジニアのための伝わる書き方講座 p.36)
それをこういう論理構造として整理すると
↑これでは少々詰めが甘いで、もう少し分けた方が良い、という話をしたところでした。
省電力以下の4つのメリットの間に、何らかの因果関係はないのでしょうか?
と考えると、おそらくこうであろう、と推定できます。
(<文章嫌いではすまされない! > エンジニアのための伝わる書き方講座 p.37)
「省電力」「省スペース」が可能になるから、(電力料金や家賃が減らせるので)コスト削減につながる、という因果関係ですね。ちなみに上図では「コスト削減」しか書いていませんが、「環境配慮」のほうも「省電力・省スペース」の結果として得られる因果関係があります。
この例文のように、「メリット」あるいは逆に「デメリット」を語っている文章では、ちょっと考えるとこういった因果関係が推定できる場合は非常に多いので、ぜひ何かと考えてみてください。
その上で・・実はまだ続きがあります。
「省電力」「省スペース」と「コスト削減」「環境配慮」のそれぞれに何か見出しを付けられませんか? つまり下の図のA、Bの部分に当てはまる見出し(ラベル)です。
うまくはまる見出し(ラベル)をつけることができると、さらに分かりやすくなります。
(<文章嫌いではすまされない! > エンジニアのための伝わる書き方講座 p.38)
(次回に続く)