一向に消え去らないモチベーションに関する3つの大神話
本日のエントリは昨日に引き続いて心理学系です。
心理学者のHeidi Grant Halvorson氏のFast Company FC Expert Blogに載った論考から。
The 3 Biggest Myths About Motivation That Won't Go Away
一向に消え去らないモチベーションに関する3つの大神話
http://www.fastcompany.com/1756747/the-3-biggest-myths-about-motivation-that-won-t-go-away
People can have remarkably keen insights into their own behavior. Then again, people can also be remarkably wrong about why they, and everyone else, do the things that they do. And some of those people turn out to be motivational speakers and authors.
No doubt their intentions are very admirable -- many genuinely want to help others to reach a higher level of success. But too often, they simply end up reinforcing false notions (albeit intuitively appealing ones) about how motivation works.
人々は自らの行動においてするどい洞察を得ることができる。それに加えて、人々は、何故ほかの人が間違ったやり方をしているのかについて洞察を得ることも出来る。そしてそういった人々の一部がモチベーションに関する講演者や作家となることがあるのだ。
間違いなくその同期自体はほめられるべきものだ。多くの人は高いレベルの成功を実現するために手を貸したいと思っているのだから。しかしたいていの場合、彼らはモチベーションの効能について間違った観念(本能的に目立つものではあるのだが)を薦めているのである。
ということで、広く言われていて、でも実は間違っているモチベーションの神話を3つ。
部分的に抜き出して紹介します。
Just Write Down Your Goals, and Success is Guaranteed
ただ目標を書けば、成功は保証されたようなものだ
there is evidence that getting specific about what you want to achieve is really important. (Not a guaranteed road to fabulous wealth, but still important.) In other words, specificity is necessary, but it's not nearly sufficient.
成し遂げたいことをより詳細化することが非常に重要だという言説には裏づけがある(法外な富が約束されているわけではないけれども、重要なのは間違いない)。言い換えれば、詳細化は必要だが、十分だとはいえない。
例示としてYale大学の1953年の話が出てきます(知らない方はググっていただければ。。)。しかし実際はそういうわけでもなかったようですね。反証記事がFast Companyに載っています。
書けば成功に近づく、という明確な理論があるわけではないようです。やったほうがいいかもしれないが、というレベル。
Just Try to Do Your Best!
ただベストを尽くせ
Telling someone, or yourself, to just "do your best" is believed to be a great motivator. It isn't. Theoretically, it encourages without putting on too much pressure. In reality, and rather ironically, it is more-or-less permission to be mediocre.
誰かに、もしくは自分に、「ベストを尽くせ」と投げかけるkとはモチベーションを高めるいい方法だと信じられている。でも実際は違う。理論的には、かなりのプレッシャーをかけない限り、動機付けはされない。実際には、非常に皮肉なのだが、まぁほどほどにやるよう許可しているのと同じくらいの効果しかないのだ。
LockeとLathamという二人の組織心理学者の研究によると、高い目標を掲げるほうが、ただベストを尽くすよりもかなり高い効果を生んだとのことです。
高いゴールが設定されると、必然的にベストを尽くさざるを得なくなる、ということのようです。
Just Visualize Success!
ただ成功をビジュアル化せよ
visualizing success, particularly effortless success, is not just unhelpful--it's a great way to set yourself up for failure...Realistic optimists believe they will succeed, but also believe they have to make success happen--through things like effort, careful planning, persistence, and choosing the right strategies...Don't visualize success - visualize the steps you will take in order to make success happen.
努力を対してすることもなく成功をビジュアル化すること、は助けにならないばかりか失敗への道に入り込むことになる。(中略)現実的な楽観主義者は自らの成功を信じつつも、成功を実現しなければならないことを信じている。そしてそのために努力や注意深いプランニング、忍耐、そして正しい戦略の選択が必要なことも認識しているのだ。(中略)成功をビジュアル化することはやめるべき。それよりも成功を実現するためのステップをビジュアル化しなさい。
ただ○○すればいい、という言説をよく見ますが、それが本当に理論に基づいているのか、しっかりと確かめる必要がありますね。
特に教育やマネジメントといった領域は、誰もが実践者たりえるだけに、独りよがりの言説が多く、見分ける目が必要だといえます。
お読みいただきありがとうございました。
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※たぶん今日は皆さん国会中継に釘付けなんだろうなぁ。中継つながりにくいですね。