著名人とのお仕事
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長年仕事をしていると、時折、「著名人」と一緒になることがあります。ここで言う「著名人」とは、ビジネスで抜きんでた成果を出し、メディアなどの露出が多い有名人のことをさします。
随分前ですが、私にもそういう機会がありました。その「著名人」と仕事の打ち合わせをする際には、どう対応すればいいのかいらぬ緊張したものです。或いは、日頃ファンであることを告げようか、握手してもらおうか、いくつか買って持っている著作にサインをもらおうかなどという考えも思い浮かびました。(単にミーハーなんですが)
そのビジネスはというと、結局、普通に仕事の話をし、普通に計画を立てて、普通に互いの役割を粛々とこなした、という結果になりました。
実は、内心、努めて普通でいようと頑張ったのです。頭に浮かんだのは、加山雄三さんのエピソード。。。
加山さんは、1964年のビートルズ来日のとき、彼らの滞在中に一緒に食事ができた数少ない人物だったのですが、唯一、「彼らにサインをねだらなかった男」なんだそうです。
理由は、「サインはするものであって、サインを貰う立場ではない」とのこと。彼は、ビートルズを憧れの対象ではなく、同じエンタテインナーとして、同じ仲間として、見ていたんでしょう。まさにプロフェッショナルですね。一緒に食事したときに喜んでサインなどねだろうものなら、その瞬間に相手から見下げられてしまうわけです。加山さんはそれを良しとしなかったんですね。。。
私はふとそれを思い出し、ミーハー気分を払拭して本題に集中することができました。
立場の違いこそあれど、矜持を持って仕事する。これが世間に認められる第1歩かもしれません。
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