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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

成績と報酬の話

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娘からの聞きかじりなので真偽のほどは不明であるが、もしかしたら事実かもしれない。娘が通う某大手進学教室ではたまに模擬試験があるのだけれど、総合で全国1位になったら賞金として50万円獲得と親から約束されている同級生がいるのだそうだ。初めて聞いた時には思わず笑ってしまった。小学生に50万円とは現実離れしていて、万が一獲得したとしても変に無駄使いをするか、貯金するかといったところが関の山だろう。聞けば成績は良い方なのだそうだが、全国1位を目指すには相当に道のりが遠いのも事実らしい。要するに非現実的な目標を設定する代わりに、非現実的な報酬が約束されているというわけだ。どうせやるなら目標も報酬も盛大にやってやろうという、親の意気込みを感じる話ではある。

一方で学校のテストで100点を取ったら、100円の賞金を得る子供もいるらしい。こっちの目標はいやに小さいが、報酬もそれなりである。現実感は上記のよりもはるかにあるのだけれど、強い達成感を感じることはなさそうである。

はからずも我が家において、娘に与えている目標は両者の中間的なものである。簡単には達成できない事に違いはないが、かと言っていつまでたっても目標に接近しているという実感を伴うことが全くなければ、そのうちに意欲を殺がれてしまうかもしれない。娘の性格を考えながら、そして能力を見極めながら、微妙なさじ加減といったところだろうか。

最初の目標は、達成したらWiiを買ってやるというものだった。半年くらいかかるだろうと思っていたら、あてが外れて宣言してから3ヵ月後にあっさりと達成されてしまった。ちと甘かったな失敗だったなと思いつつも、こういうのは約束なのできちんと履行しなければならない。これが昨年の春頃である。ではとばかりに大きくグレードアップした目標を設定し、娘の希望で5000円の賞金を懸けることにした。賞金・賞品の額と目標の高さが比例しないが、そのあたりの矛盾を感じないところが小学生である。さすがにこの2次目標に到達するのに、1年近くもの時間を要している。現在はさらに3次目標が設定され、賞金額も6000円に増額されているのである。

2次目標に到達するための1年近くもの間に、さすがに能天気な娘も達成をあきらめかけたことがある。時間がかかっているばかりでなく、目標に接近しつつあるという手ごたえが全く得られなかったのだろう。目標が高過ぎたのは事実かもしれないが、だからと言って安易にバーを下げるのを認めるわけにもいかない。何とか騙し騙し持ちこたえさせたのが実情なのだが、一度達成すると現実を見据えることなく、能天気に何でもできると勘違いしてしまう。しかし今度の目標は娘が自分で決めたんだからまあいいや。またしばらくの間、希望とあきらめとの間を揺れ動く娘を支えるのは親の役目なのだろう。親もあまり楽な商売ではないようだ。

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