2年目の授業が始まった
昨年に引き続いて、今年も大学で前期2単位の授業を担当している。ビジネスの現場という視点からのコンピュータといった内容の講義なのだが、おかげで今年も多くの学生で賑わっている。 試験はやらずに論文のみで評価する、と早々に宣言したのがウケたからなのだろうか。試験をやるとなると、監督に行かねばならないのが大変だからというのがその理由の一つ、そして学生の負担を軽くしてあげようと考えたのがもう一つの理由である。授業でカバーする講義の内容がかなり幅広いので、試験準備をすることになったら、学生にとってはかなりつらいのではないかと想像している。ビジネスの世界の話だから、当然のことながら学生にとっては未経験の内容ばかりである。せいぜい頭だけで理解した気になるような内容を、一発勝負の試験だけで評価してしまうのは忍びない。たまたまあまりピンと来なかった内容を試験に出すことになってしまったら、手も足も出なくなってしまう。僕としてはむしろ論文を課すことで、「異次元の世界」に思いを馳せながら、与えられたテーマについてしばし考えてもらいたいのである。どのみちインターネットをどう漁ったところで、課題に見合った都合の良い資料とか公開済みの論文を見つけることはできないのだから。 冒頭で昨年の成績評価分布を示しながら、論文課題は難しかったらしいことを述べると、具体的にテーマは何でしたか、と授業後に質問してきた学生がいた。なかなか良い目の付け所だ。まあ、隠すことでもないし、今年も同じ課題を出すとも限らないので、ありのままを回答しておいた。今の段階ではどのみち何のことだか想像がつかないだろう。 参考文献はありますかという質問もあった。確かに人の講義を聴きながらメモを一生懸命取る手間を省けるかもしれないし、少なくとも授業内容を補完できれば心強いものだ。参考文献は確かにあるし、シラバスにも示してあるのだが、残念ながらあまり授業内容に沿ったものではない。単位を取るための労力を極力削減することを目論むのであれば、本当に「参考」でしかない。授業の組み立ては僕が仕事上経験したことをとりまとめたオリジナルなので、話を聞いてもらうしかないのである。そう回答したら、講義を聴くようにしますとのコメントであった。履修届けを出した以上はそうするのが当たり前とも言えるんだけど、まあいいや。 さらに出欠確認はしないんですかというコメントもあった。この質問は昨年もあった。せっかく出席しているのだから、評価せよということなのだろう。そうかもう履修届けは出してあるのか、だとしたらそう考えるのも間違っていない。出欠確認を取るのは僕としては実は面倒なのだけれども、せっかくの皆さんの努力に報いるためにも、今後は出席カードを使うことにしよう。出席状況も評価に加味すると、シラバスで明言したのは僕なのだから。