プログラム言語事情の話
コンピュータに携わっているとSE職についていなくても、プログラミング経験が話題に上ることがある。AS/400からその後継のPower Systemsに関わっている人々にとって、必須科目とでも言うべきなのはRPGと呼ばれる言語であろう。元々はReport Program Generatorの略だったらしいが、名前からしてあまりプログラム言語らしさを感じない、どちらかというとデータの集計ツールであるかのような風情を感じる。この簡易ツールのような響きを持つプログラム言語を知らずして、いやプログラミング経験なくして、AS/400を語るべからずという暗黙の掟みたいのがあったのは事実である。しかしながらさすがに古い言語であるので、今のWeb 2.0の時代にそぐわない部分があるのも事実だと思う。RPGだけでは間に合わない場合は、これにJavaを組み合わせるというテクニックが一つの流行になっている。
RPGとJavaと言う組み合わせがこの世界の王道だとしたら、僕はおそらく間違いなく変種の部類に入るに違いない。初めて触ったのがFORTRANで、それからSystems370と何種類かのマイクロプロセッサ用アセンブリ言語、そしてC言語が言語経験の主なところである。プログラミングの手間隙がべらぼうにかかる反面、ハードウェアの動きと連動しているので、アセンブリ言語は僕の好みであった。かつてのハードウェアの集積度は現在よりも非常に低かったし、OSもOSと言えるほどにしっかりしたものではなかった。だから、I/Oインターフェース専用のプロセッサを買ってきてPCボードにはめ込んで、タイミング・チャートを見ながらコツコツとデータ出力プログラムを作れば、プリンターを駆動させることが可能であった。プログラムの成果が直接目に見えるのは、なかなか面白いものだ。
アセンブリ言語のようにひたすらに手間のかかる言語に手を染めるようになったのは、大学時代にコンピュータを教えてくれた教授が、アセンブリ言語はコンピュータに携わる者として必須であるとの持論を展開したことが最大の理由である。別にコンピュータの技術者になろうと思っていたわけではなかったが、せっかくだから少しかじっておくか、程度の軽い気持ちであった。やってみると意外に面白かったので、図に乗った挙句、とあるソフトウェア会社にて、マイクロプロセッサを使った何かの組み込み機器用アセンブリ言語プログラミングのアルバイトをしたこともある。
現在のプログラム言語事情は相当に様変わりしている。Java、C、Rubyなど無料で利用できる処理系が数多くあるので、PCさえ用意しておけばコンパイラなどに対する初期投資は不要である。そう言えばどこかのWebページだったかと思うが、ITに従事している人が初めて覚えたプログラム言語の傾向が記事になっていたことがある。それによると、若い人の間ではC言語とかJavaが上位にあったのに対して、年配者ではCOBOLとかアセンブリ言語が上位を占めていた。プログラム言語経験を聞けば、大体の年齢が推定できるのかもしれない。