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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

今時のプログラム言語事情

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先日は大学でCOBOLなどいわゆるレガシー系のプログラム言語と、その活用方法についての授業を行なった。要するにレガシーだからといってすぐに廃れるわけではなくて、様々に機能拡張されながら延命しているのが実態であることを説明した、というわけだ。業界では一時、2007年問題という、ノストラダムスの大予言のようなものが流行っていたが、2008年を半分近く経過しようとしているにも関わらず、結局のところ少なくとも見た目は平穏無事である。どうもITにおいても、世界の終末というのは根拠が不明瞭でも話題性は十分にあったということなのだろう。そしてレガシー言語で作られたアプリケーションは、なんだかんだ言われながらも、まだまだこの先しぶとく生き長らえるに違いない。

個人的に興味もあったので、学生に経験のあるプログラミング言語について聞いてみた。大学3・4年生が主な対象である。コンピュータを学ぶことが本業の学生なので、あれこれと手を出しているとしたらかなりばらつくかなと思ったが、結果はJavaが8割、CないしC++が6割といったところだろうか。プログラミングの授業があるはずだから、それが結果に反映されることは当然としても、意外だったのはPerl・PHPといったスクリプト言語や、FORTRAN・COBOLなどのレガシー言語、さらにはアセンブラの経験者がほとんどいなかったことだ。

どうやら僕らの頃とは大分様相が違っているようだ。僕が初めて触れたプログラム言語はFORTRANなのであるが、当時の教授はコンピュータを学ぶならば、内部の動きを理解するためにもアセンブラは必須とよく言っていたものだ。だから僕もアセンブラにも手を染めた経験がある。それが今ではJavaやC/ C++なのだろう。

経験者はかなり少ないだろうとは思っていたが、全く手を挙げる者がいなかったのはレガシー系言語である。大学にそれなりの施設がないのであれば、こういった言語を学ぶ機会がないのは無理からぬことだ。探せばあるのだろうけれども、PCでFORTRANなんてちょっと考え難い組み合わせだ。しかし皆無とは実は少々驚きであった。こういう学生がコンピュータ業界に入って企業システムの実態を見たりしたら、骨董品と思うかもしれない。どうにかしてJavaやC/C++でシステム構築をする現場に身を置きたい、と思ったところで、多くのケースでその期待は裏切られてしまうかもしれない。

簡便なスクリプト言語の経験者が少なかったのも意外だった。あまり悩まず、何か必要性があったら個人的にさっさとプログラミングしてしまう、そういった需要にはぴったりだと思うのだけれど、学術的価値が認められないためかあまり人気がない。もっともこういった言語は特に勉強しなくても安易にプログラムできてしまうので、「経験した」と認知されるほどには触っていない、といことなのだろうか。

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