オルタナティブ・ブログ > 猫のベロだまり >

ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

前期授業が始まった

»

今日14日から前期一杯、毎週月曜日の夕方は大学で授業を受け持つことになった。今日はその第一回目の日である。最大履修可能な人数は理論上約300人いるので、まあ数10人は来るだろうと呑気に構えていたところ、150部近く用意した資料がほぼ完売(?)だった。どうやら履修届け提出の締め切りはまだらしく、今はお試し受講のシーズンらしい。あちこちの授業につまみ食いするように顔を出し、最終的に履修したいかどうかを後で決定すればよいのだそうだ。僕らが大学に通っていた頃は、各課目の授業内容を説明するパンフレットに目を通しただけで履修届けを出さなくてはならなかったから、今にして思うと結構不親切なやり方だったかもしれない。初回授業に出ただけで、ああこれは外したなと単位を落とすリスクをしみじみと覚悟したことを思い出す。もっとも僕の場合は、初めての学部授業でああこれは入るべき学部を間違えたなと感じてしまったのだから、もっとたちが悪い。この感情は4年間修正されることなく、心の片隅に漂い続けていたのだから。

人前で話をするのは割と慣れているつもりだったのだが、学生相手となると柄にもなく少々緊張した。社内にしろ、ビジネスパートナーにしろ、お客様にしろ、僕が通常相手にするのはいわば社会人なので、立場は違ったとしてもまあ同じカルチャーと言うか、時代背景を背負っていると言えなくもない。そして社会人の常識というルールに従って話を進めていけば、お互いに理解し合えるだろうと想定することができる。だけど彼らは何なんだ。生まれたのは僕が会社に入ってから後だ。僕が子供の頃に見聞きした事柄なんて、これぽっちも知る由もない。今日だって、コンピュータの時代背景を説明するところで、「冷戦」と言ったら、何のことだかさっぱりわかりませんという顔をしている人間が少なからずいた。そういうわけのわからんちんがお客様をやっていて、どうにかすると僕の話を聞きながら、つまんねぇとかよくわからんとか評価したりするかもしれないのである。これはつらい。圧倒的に不利な戦い(?)ではないか。

いやいやこっちにも必殺の武器があることを思い出した。成績を評価して単位の認定をするのは僕の仕事なのである。でもさすがにこのあたりは心得ていて、授業の終わりに何人かがやって来て僕に投げ掛けた質問は、成績はどうやって評価するのか、というものだ。予め大学側に届け出ていた内容に従って、出席状況とミニ論文と期末の論文提出で決めますと答えておいた。そうか、そういったことは授業の最初に説明しなければいけないんだった。こんな事は始めてなので、少々の不手際は勘弁して頂戴ね。次回授業の冒頭で改めて成績評価方法を説明するとしよう。でも履修者が本当に数多くいたらどうしよう。150もの論文に目を通すのは難行苦行に違いないし、楽に済ませてしまう方法も思いつかないのである。

Comment(0)