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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

暇つぶしに算数の問題を

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入試のシーズンである。新聞にセンター試験などが掲載されると、自分の実力確認のつもりで英語のテストにはチャレンジするようにしている。時々海外に出張したり電話会議を持ったりしているので、一応そこそこの英語力は維持できているものと思っている。それだけではなく、最近は頭の体操だと思って数学にも手を出すように心がけている。公式などほとんど忘却の彼方にあるので全く手の出ない問題もあるのだが、方程式だとか関数の問題の一部は知識が無くてもまだ何とかなる。とは言っても、合格ラインに程遠いことに違いはないのだが。

さらにハマっているのは、中学入試の算数である。最難関校と呼ばれる学校の問題は非常に手強い。よく方程式を使えないからと言うが、そんなのは問題を解けなかった時の言い訳に過ぎなくて、使ったところで何の変わりも無い。難しいものは難しいのである。なまじっかなセンター試験の数学よりも難しい。一見易しそうでありながら実は大変に難しい、といった問題が目白押しである。特に以下の問題には苦労させられた。模範解答はどうなっているのか一度見てみたいものだ。問題を数学的に表現すると以下のような具合になる。

xと y とを自然数とする時、66x + 35y = 3890 を解け

要するに、一見つるかめ算と呼ばれるものになっている。『足が66本の「かめ」と、35本の「つる」がいます。足を全部数えると3890本ありました。それぞれ何匹ずついるでしょうか?』という問題と同義である。よく見ると通常のつるかめ算とは違う。つるとかめとで全部で何匹います、という条件が欠落している。これでは解けないじゃないかと思うが、解はどこかにあるらしい。

つるかめ算を解くための王道は、全部がかめまたはつるだと一旦仮定するところから始まる。y = 0 と仮定してやると、x = 3890 / 66 = 58 あまり 62 である。ここで、58匹いるかめを何匹つるに置き換えればよいのかを知ればよいわけだから、66n + 62 が 35 で割り切れるところを探せばよい。ただし、n はかめをつるに置き換える数である。ここで、66n + 62は少なくとも5の倍数でなければならないから、66nの一の位は 8 だ。(66は偶数だから、66n の一の位が 3 になることはありえない。)だとすると n の一の位は 3 か 8 だということまではわかる。ここまで条件を絞り込んでみたが、n の値を 3, 8, 13, 18・・・と総当りで求めるのはよい考えなのだろうか。ここまで来てげんなりしたので、考え方を改めてみよう。

もう一度式を良く見てみると、3890は5 の倍数、35yも5の倍数だから、66xも同様に5の倍数でなければならないことに気がつく。66は5の倍数でないから、x は5の倍数でなければならないことになる。そこでx を5, 10, 15・・・と総当りで試してみると、x = 25 の時に y = 64 が成立する。ううむ。計算が面倒だけど、まあ何とか正解にたどり着けたようだ。

思わず食いついてしまったが、「何だこれは」思わせるような問題だ。こんなのを制限時間内でさらさらと解いてしまう小学生がいるとは、脱帽してしまうのである。僕もこんなことをやっていては、体操どころではない。肉離れと疲労骨折を併発しそうだ。

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