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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

地域社会との関わり

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僕が住んでいるのは入居世帯数が20強しかいない、分譲タイプとしては小規模なマンションなので、数年に一度は管理組合の役員を務めることになる。役員を務めることに特別の生きがいを感じ、毎年でも引き受けようという奇特な人が住民の中にいるわけではないので、役員は結局毎年くじ引きによって決められる。偶然が決めるので、長い目で見れば役員の機会は均等に訪れる。僕自身も先の10月から一年間の任期で役員を務めることになった。今度で二度目の当番である。

別に希望したわけでもないし人から請われたわけでもないけれども、大袈裟に言うと、やる以上は何か世のため人のためになる業績を残そうなどと、余計なことを考えたくなる。今はまだ様々な人とのつながりを持っている身ではあるが、いずれ最後には身近な人達とのつながりしか残らなくなる時が来るかもしれない。なんて事を考えると、今から世間をないがしろにせずにしっぺ返しを食らわないように心がけたとしても、ばちはあたらないだろう。

前回の役員の時だから4年ほど前には、光ケーブルによるインターネット回線の導入を手がけることになった。現在築10年にもなる僕のマンションでは、ブロードバンドと言っても各戸個別にADSLやケーブルTV経由でインターネットに接続するしかなかった。当時世間では最高100Mbpsの速度が実現されていたにも関わらず、都会からやや離れた僕の住む地域では、光ケーブルを利用しなければせいぜい8Mbpsが最高速度だったのだ。きちんと調べればより高速な回線もあったのかもしれないが、いずれにせよ100Mbpsにほど遠かったのは事実である。これでは最先端とは言い難い。他の入居者からも高速回線敷設を求める声は上がり始めていたので、当時マンション管理組合理事長の立場にあったことを利用(?)しながら、半分以上は自分自身の趣味のために、回線業者との交渉に励んだものだ。

さて今回は何をやろうかなと呑気に構えていると、今度は妻が娘のバレエ教室の後援会役員に任命されてきた。後援会とは要するにバレエ教室のPTAみたいなもので、何事かイベントがあると駆り出されて働かされる立場である。発表会ともなると、会場係とか楽屋係などを束ねる役回りであり、肝心の娘の出番もゆっくりと見物することはできないらしい。生徒数が100人近い結構規模の大きな教室なので、発表会ともなるとその観客動員数は1000人を超えるほどである。当日は朝早くから準備に駆けずり回らなければならないので、僕は役員様を会場まで送り届けるためのお抱え運転手であり、会場に顔を出したついでの荷物運搬係であり、さらに不在中の母親の代行の娘のお世話係でもあった。おかげでバレエ教室の母親連中の間では結構顔が売れたし、四方山話もできるようになったのであるが、他の父親でこういったことに関与するのはまだ少数派のようだ。僕としてはちょっと寂しさを感じたりするのである。

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