春休みの特別講座
入試も大学の後期試験も終わり、緊張感から開放された雰囲気の某大学で、情報技術を選考する学生を相手に、コンピュータに関する特別講座を持つことになった。1.5時間×3コマ分の講座の中で、企業の立場から学生の将来に役立つようなことを話して欲しい、ということらしい。これでも一応会社内ではエバンジェリストの端くれということになっているので、それなりのネタを仕込んで講義に臨んだ次第である。
コンピュータの歴史から始まって、最新のWebテクノロジーの普及に伴って従来の業務システムがどのように変貌しつつあるのか、というところを話して今日の第一部は終了した。前半のコンピュータの歴史については、結構技術的な話が多かったので反応は良かったように思うが、第一部後半はどちらかというとビジネス的な側面を主に語ったので、学生にはピンとこなかったようだ。普段関心を持って触れているのがWeb2.0だとかJAVAだとかといった人に向かって、セキュリティー・リスクだとかSOAの概念だとか、ビジネスの現場で話題になるような事柄を中心に語ったのだから無理もない。でも担当教授には、学生に刺激を与えたいという思惑があったようなので、何とかその意向には沿っていたかもしれない。
ビジネス用途のコンピュータの実例を語って欲しいとの教授の要望もあるので、明日の第二部は本邦初の学生対象のSystem iの説明を行なう。社内だとか協業する会社やお客様に向けた説明会は何度か経験があるが、学生相手となるとなかなか勝手がわからない。何せ相手のSystem iに関する前提知識は白紙だと言ってよい。何とかアーキテクチャーの特徴と、それが採用されている背景や理由がわかるようなネタをまとめてみた。ちょいと変わったコンピュータの説明をするわけだから、どういうコンセプトでシステムが設計されたのかというところから話を始めないと、なかなか聞く側に伝わらない。よい手持ち資料がなかったので、System iの設計者が書いた本を読みながら資料作りを行なうはめになり、事前の調査・学習も加味すると、実はかなりの時間を要する結果になってしまった。
講座の合間に何人かの学生に聞いてみたのであるが、どうやら最近はアセンブラは学習しない、または概要を学ぶレベルに留まっているらしい。コンピュータの歴史の中で、2進数だとか2進化10進数の話題を持ち出したのであるが、何人かにきょとんとされてしまった。僕が学生の頃は、コンピュータを学ぶ人間にとってアセンブラは必須科目だったのだけどな。