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ある時はコンピュータの製品企画担当者、またある時は?

ガラス張りの安全

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不二家がやってくれた。人が見ていないところで「要領よく」やっているつもりでも、結局は「お天道様」が見ているということなのだろう。シュークリーム以外の菓子類はどうなのか、話題になった以外の工場ではどうなのかと疑心暗鬼が膨らむ一方で、今後この会社はどうなってゆくのだろうと気にもなる。シュークリームはコージーコーナーがあるし、モンブランはアンジェリーナがあるので何とかなるが、ミルキーがなくなるのは僕個人的には困るのである。

昨日日中に日本橋の三越デパートに立ち寄る機会があり、ついでに地下食料品売り場に足を伸ばした。目当ては新館地下2階にある、「クラブハリエ B-studio Tokyo」(http://www.taneya.jp/shop/tokyo/bstudio_tokyo.html)である。和菓子の「たねや」の系列で、バウムクーヘン専門店である。ここの焼きたてのバウムクーヘンを買いたかったのもさることながら、ガラス越しにその工房を是非見てみたかったのである。たかが菓子一つ買うのに行列ができているわけであるが、待ち時間も結構楽しめる。

バウムクーヘンのネタを用意しても、木の年輪の模様付きのドーナツ状の焼き菓子に仕上げるには、それなりの準備と道具立てが必要なようだ。まず直径約5cm、長さ約1m、の丸太棒を用意し、それにクッキング・ペーパーと思しき紙を巻きつけ、解けないように両端を紐で縛るところから工程が始まっている。窯の中にはこの丸太棒を洗濯竿のように両端で引っ掛けるフックがいくつかあって、常時数本の丸太棒が間隔を置いて窯の中を行き来するように回っている。窯の手前下方にはバウムクーヘンのネタを溜める幅の広いプールがあって、丸太棒はそこにその下半分を浸してから引き上げられる。丸太棒は常に自転もしているのでネタがまとわりつくが、むらが生じるとビルの窓拭きに使うようなヘラで、人が均等にならしている。そして窯の奥に運ばれると火が燃えていて、そこでうっすらとキツネ色に表面が焼きあがる。手前に出てくると再度ネタのプールに浸されて、今焼きあがったばかりのケーキの周りにまたネタが均等に絡む。これを何度も繰り返していると異様に巨大なコーンドッグのような形になり、十分に成長したことを確かめるといよいよ窯から取り出す。最後に表面にシロップを塗り、乾燥させてから輪切りにすると、あのお馴染みの焼き菓子のできあがりである。

ぼーっと見ていても飽きることはないが、工房全体の雰囲気として明るいし、職人の身だしなみも清潔感がある。全工程を目の当たりにすることができる中では、間違っても職人がおしゃべりをしてつばを飛ばしたり、頭を掻いてフケを落としたり、といった素振りは微塵も見られない。実際のところ賞味期限切れの牛乳を使用していてもガラスの外からはわからないかもしれないが、そんなことはありえないといった緊張感が説得力をもって漂う。買う方はあまり意識をしていないかもしれないけれど、ここのバウムクーヘンを買う時には、こういった安心感も併せて買っているのだろう。一方で、工程が消費者の目に触れることがないと、どこかで気が緩んでしまうものなのかもしれない。

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