IOTの進展、ソーシャルメディアにおける仮想友達モデルの終焉とフォロウモデルへの移行
米国のドラマ フレンズ
<出所:NBC>
■ 仮想友達モデルの終焉
IOTの時代が進む中でソーシャルメディアも大きな変化の波を被り始めています。パソコン型のSNSからモバイル型のメッセージサービスへの移行(ストック型からフロー型へ)、総合型から目的別のサービスへの移行などが特徴として上げられます。フェイスブックに特徴的な「公開型なのか、プライバシーを重視する私的なやり取りなのかの混同」の要素などは若者から嫌われる傾向にあります。
さてその中でSNSで誕生した「仮想友達モデル」の終焉と「フォロウモデル」への移行が目立って来ました。もはや仮想サービスとはゲームやセカンドライフのような徹底したバーチャルなゲームだけを意味し、一般的なソーシャルメデイアは、ネットと現実の一体化が進展し、仮想要素が消え始めているようです。
これはSNSの基本を形造る人間関係の仕組みの変化、ルールの変化、そして世界観の変化を意味します。
マイスペースやフレンドスター、フェイスブックの特長であったSNS上で「出会った事も無い相手と仮想友達関係」を結び、にわか友達を演じると言う時代は過去のものとなろうとしています。21世紀初頭、米国で「私のフレンドスター」と称されたネットのにわか友達も歴史の1コマになり始めています。
■ フォロウモデルへの移行
今週の水曜日(米国時間)にロケーションで有名なフォースクエアは、「仮想友達モデル」を廃止し、代りにお互いが自主的にフォロウしあう「フォロウモデル」を採用しました。そしてプライベートなロケーションがブロードキャストされる機能を廃止しました。プライベートなロケーションの開示はスワンと呼ばれる物理的な友達関係のアプリに移行されています。ビジネスに特化したSNSのLinkedInの場合も仮想友達モデル」を残しながらも同時にフォロウモデルを採用しています。フェイスブックは2011年からフォロウモデルを並行採用しています。
フォロウモデルの場合には、軽いファンなどの片思いが前提です。このフォロウモデルはモバイル時代に相応しいとされたツイッターが始めたものです。その結果、写真のインスタグラムなどの新しい仕組みはフォロウモデルが中心となっています。Pinterestの場合にはボードに対するフォロウです。そして仕組みとしての友達モデルは消え始め「メッセージサービス」などの物理世界の関係を重視した使い方を意味するものへと変化し始めています。
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ボードのフォロウはPinterest(以下の動画参照)
Pin tip: How to follow (or unfollow!) Pinners and boards
■ 元々は社会学のネットワーク分析が基本
http://www.slideshare.net/MitsunoriSato/tokyor32-network-analysis-24442516
元々は「仮想友達モデル」も「フォロウモデル」も社会学で始まったネットワーク分析が基本でした。また「仮想友達モデル」はスタンレー・ミルグラムの実験結果に基づく六次の隔たり論をインターネットで仕組み化したものです。
■ 現実社会に近いフォロウモデル
結局、IOTが進む中、インターネットも嘗ての電話のようにお宅の世界(仮想世界)から現実世界に大きく組み込まれ、現実世界に近い関係へと整理されて行く方向です。2008年の米国大統領選挙では、「ネットで知り合ってオバマの選挙集会に集まれ!!」と言った方向性が打ち出されていました。今後、IOTが進む中、仮想の要素は次第にインターネットの都市伝説として片隅に追いやられて行くのでしょうか。内部で何が起こっているのか判らないメッセージサービスも含めてちょっと夢が無くて面白く無いですね。だから最近、ソーシャルメディアはあまり注目されないんだ ^^
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ネットワーク分析の一例
<出所:FAO>
★★ The New Rule Of Social: Let's Not Be Friends