FIFAワールドカップ・ブラジル大会でドイツが勝った訳、IOT、ウエアラブル、テックシティの勢いは名機メッサーシュミットを想起させる恐ろしさ・・・
FIFAワールドカップ・ブラジル大会は世界初のウエアラブルワールドカップだった・・・ドイツの技術が使われていた・・・・
<出所:http://thetechieguy.com>
FIFAワールドカップ2014・ブラジル大会ではブラジル、アルゼンチンを撃破したドイツが24年ぶりに優勝しました。しかし明らかにその背景には、工業社会からスマート工業社会へと移行するドイツの新しい波(IOT、ウエアラブル、テックシティなど)の勢いが勝利を見降ろす浮雲のように浮かんできています。
■ ドイツのGoalControl-4Dがウエアラブル・ゴール判定
まず注目すべきはゴール判定に採用されたドイツのGoalControl-4Dの技術です。前回大会の誤審を反省してFIFAはワールドカップの判定にIOTとウエアラブルを採用しました。内部にまいたコイルを持つボールがゴールの磁界の中を通過すると起電力が発生し、ゴールを確認します。その情報を審判のスマートウオッチに伝達し、ゴール判定が行われました。英国とソニーの技術を破ってドイツのGoalControl-4Dが採用されました。(上の写真参照)
■ 選手のトレーニングもウエアラブルとデータ解析
これは既にお馴染みですが、ホッヘンハイムなどがSAPのハナを使って選手の動き(ダッシュ、走り、パスなど)や作戦を支援しています。この技術は必ずしもSAPのハナだけでは無く、ネットワーク技術などはドイツの公的な研究所が提供しています。ドイツのサッカーの後ろに明らかにIOT、ウエアラブル、ビッグデータ技術の活用がありました。
■ 国を挙げてIOTへ向かうドイツ
ではサッカーを世界チャンピオンに押しあげたドイツのIOT、ウエアラブル、ビッグデータ技術は何故上げ潮なのでしょうか? その背景にはドイツの自動車業界が主体となって動くIOT戦略=インダストリー4.0があります。くにを上げてIOTに取り組んでいます。人類史で第4次の産業革命を意味します。ダイムラーやボッシュ、シーメンス、SAPなどのドイツを代表する企業、さらに主要な大学や研究機関が参加しています。
■ テックシティ、ベルリンの動きも見逃せない
2014年6月、グーグルはロンドンのテックシティ(グーグルキャンパス)に続いてベルリンのテック用ファクトリーの建設にも出資しました。ロンドンのグーグルキャンパスもベルリンのファクトリーもシリコンバレーのハッカー道場に似ていて、テック系のスタートアップ企業が集います。スタートアップ企業が「わいがや」とスマートデバイスやソフトウエアによるサービスの議論をかわしています。ベルリンは戦後、西側と東側に別れ、長らく共に占領下にありました。特に西側は米英などの様々な国の軍が駐留し、さながら国際都市の色彩を強くしていました。それが多様性の文化醸成に役だっていると言われています。
18世紀の産業革命期のロンドンのコーヒーショップでは、船乗りと商人たちが集まって議論し、その中から取引所やロイズ保険会社、会計制度、電信会社などが誕生しました。それと同じスマート工業社会への原始の海がベルリンにも出来ています。こういった動きがドイツのFIFAワールドカップ・サッカー勝利を支えた技術台頭の背景にあります。
■ まるでメッサーシュミット、ユンカース、V2号の誕生前夜の様相
1936年のベルリンオリンピックではドイツが世界初の定期テレビ放送によりオリンピックを中継し、世界を驚かせました。その後から第二次世界大戦でスピットファイアーと戦った名戦闘機メッサーシュミット、急降下爆撃機のユンカース、そして極めつきはロケットのV2号が登場しました。
筆者はFIFAワールドカップ・ブラジル大会でドイツが魅せた(見せた)IOT、ウエアラブル技術は、スマート工業社会におけるドイツの復活を意味していると言う気がしてなりません。メッサーシュミット、ユンカース、V2号は兵器ですが、ドイツのサッカーを支えるスマート技術を見ているとドイツは確実にインダストリー4.0に向かって国を挙げて動いています。昔の第三帝国のような勢いがありますね。無論、ナチスではありませんが。そうなれば日本はネットに繋がるゼロ戦をしっかり作れるのでしょうか?
ブンデスリーガ・ホッフェンハイムの秘密兵器-センサーデータを活用した選手のパフォーマンス解析(動画)
GoalControl-4D ゴールの判定はウエアラブル(動画)
クラブW杯に導入された「ゴールライン・テクノロジー」 (動画)
★★ Berlin a global tech powerhouse (動画)
http://www.techcityinsider.net/berlin-the-global-powerhouse/
ベルリンで着々と成長するIOTの産業集積 テックシティ
メルケル首相も訪問しています・・・
<出所: スピーゲル誌>
名機メッサーシュミットを作った頃の勢いがドイツに戻って来た・・・・
<出所:WiKi>
★★Refs to use wearable technology at the 2014 FIFA World Cup in Brazil
★★A Factory for Start-Ups: Berlin Embraces Net Newbies and Leviathans
★★Edgy Berlin eyes up London's wealthy Tech City in envy
★★ グーグルがベルリンに開いたテクノロジー・キャンパス「Factory」で目指すもの
★★ビッグデータのリアルタイム分析に勝機を見出す、サッカードイツ代表チームとTSG1899ホッフェンハイム
★★[インダストリー4.0]工場がインターネットにつながる