米国AT&T による DirecTVの買収は2週間以内!?
ブルンバーグとウオールストリートジャーナル紙が米国AT&T による 衛星テレビ1位DirecTVの買収をスクープしています。流石に買収額は500億ドルに及び二週間以内に締結されるそうです。(飽くまでスクープ記事ですので誤解なきよう)
既に2009年から通信キャリアAT&TとDirecTVのバンドルサービスは開始されています。これは一種のトリプルプレイやクアッドプレイの販売ですね。(Internet, DIRECTV, or home phone service)AT&Tの請求書にDirecTVサービスの請求が内包されます。
これまで何度か買収や合併の話し合いはなされてきたようですが、話し合いは物別れに終わっていました。しかし遂に両社が一緒になる時が来たようです。
■ コードカッターの創造的破壊が効いてきた!!?
その背景にはDirecTVの顧客が大きく減り始めた事情やCATV陣営でのコムキャストとタイムワーナーの合併があります。遂にコードカッターとよばれるネットフリックスなどのオーバーザトップテレビサービス(インターネットCATV)が既存のサービスを創造的に破壊し始めました。(2013年第二四半期にはDirecTVは84,000契約、2012年の第4四半期にも約5万の契約を一挙に失っています)
衛星テレビ2位のデイッシュネットワークのチャーリー・アーゲン会長は常々衛星テレビの生き残る道は通信キャリアへの脱皮だと言っていましたが、1位のDirecTVがAT&Tと合併すれば先行します。
■ 次はいよいよインターネットテレビサービスでの新旧対決時代へ
さて有料テレビ陣営の業界再編の次には有料テレビ陣営や地上波によるオーバーザトップテレビサービス(インターネットCATV)の展開が待っています。DirecTVもデイズニーやABC放送から既にインターネット上での再送信権を獲得しており、衛星テレビサービスを小分けした(アンバンドリングした)若者向けの安いサービス(月額40ドル程度)を検討しています。
地上波も従来の「見逃し放送=Huluの展開」に留めていたインターネット活用を大きく踏み越えて直接、ABC放送などがインターネット上でライブ放送を開始しています。
■ 合併承認が先ですが・・・
無論、FCC(連邦通信委員会)の承認が必要ですがAT&TとDirecTVが実際に合併し、コムキャストとタイムワーナーの合併が落ちつけば次はいよいよネットフリックスやYouTubeなどネットネイティブ企業と有料テレビ陣営とのオーバーザトップテレビサービス(インターネットCATV)での決着の時代に入ります。例えばAT&Tのライバル・ベライゾンコムはレッドボックス・インスタント(ネットフリックス対抗サービス)の他、既にインテルのインターネットCATVであるオンキューを買収しており、早晩サービスを開始します。尚、DirecTV はAT&Tの一部門となり、現DirecTV CEOのMike Whiteさんは2015年に引退します。
■ また騒がしくなってきた米国テレビ業界
エアレオの最高裁での裁判の決着も6月にはあるでしょうから、秋に予想されるアップルテレビの本格版の登場をまえに米国のテレビ業界がまた騒がしくなってきました。
<追>
尚、AT&Tはファイオスと呼ばれるブロードバンドサービスをファイオステレビを含めて展開していますが、全米の22州に留まっています。DirecTVを獲得すれば全米でのテレビサービスが可能となります。
AT&TとDirecTVのバンドルサービス(AT&Tが販売代理店)
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<出所:ハフィントンポスト>
<出所:エンガジェット>
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