GEの家電アプローチは国内家電と何が異なるのか!!?
モノのインターネットは社会を大量生産、モノ支配論理の工業社会から一品生産も可能、サービス支配論理のスマート工業社会へと変換し、経済成長率を年間で1-2%押し上げると言われています。米国で電力ネットワーク事業を開始した発明王エジソンが創業者の一人であるGEも再度、家電に出ようとしています。面白いのはスマート家電を考えた場合、GEアプライアンスと国内の家電メーカーとの間に明らかな違いがある点です。
GEはモノのインターネット時代を見据えて産業インターネットと呼ぶコンセプトを重視しており、その実現の為にアップルやグーグルがリードした消費者インターネットを参考にしています。消費財の消費者インターネットの経験が生産財の産業インターネットへと飛び火するイメージです。
消費者インターネットのナレッジマネジメント上のポイントは、アイデアが社内からでは無、社外から出るものを重視すると言う点です。工業社会ではアイデアの90%は社内から、一方スマート工業社会の入り口である現在は、社外50%、社内50%程度だと言われており、将来は社外が90%に上ると言う予測もあります。その典型がそれぞれ100万本の外部開発アプリに支えられたアプルのアイフォーンとグーグルのアンドロイドフォンです。
従がってGEアプライアンスの家電アプローチはGEがクアーキー(発明を志す人々のアイデアを製品の形にし、販売するコミュニティ運営企業)と開発したスマートエッグトレイにしても空調のスマートフォンによる自宅外からのオンオフにしても全てクアーキーが集めた社外のアイデアに基づいて開発を進めている点です。アイデアのクラウドソーシングが原点です。これはアップルによるアプリ=サービス開発等の消費者インターネットの視点です。
一方国内家電のアプローチはパナソニックもソニーもシャープも社内のアイデアに基づいて進めています。同じことは空調のダイキンについても当てはまります。この社内のアイデア重視のアプローチでは「自社の高コスト体質に見合う製品とサービスのみ」開発の対象となり、米国で人気のドアの鍵のスマートフォンによる施錠、解錠と言ったもうからないものは開発対象になりません。だからスマート家電は評判が悪いと言う話になります。一方GEのアプローチであれば、コスト的に引き合わないものでも第三者が開発すれば、それをGEアプライアンスが販売して少し稼ぐことができます。同じ空調のスマートフォンによるオントオフサービスにしても飽くまでも外部のアイデアに基づくアプローチの方が中長期的には成果を上げるでしょう。
本日付けの日経新聞に記事が載っていましたので補足を書いてみました。
クアーキーとGEアプライアンスが開発した一個50ドルのスマートエッグトレイ
<出所:クアーキー>
クアーキーアプリ
https://itunes.apple.com/us/app/quirky/id456318176
クアーキー
https://www.quirky.com/shop/quirky-ge
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一番古い卵を教えてくれる。またスーパーの店舗からでも残りの卵の数が判り、古い卵の賞味期限が判るサービス付きスマートエッグトレイ
<出所:クアーキー>
★★ The Smart Egg Tray: Introducing… Egg Minder!
★★産業の垣根溶かす革新力 アマゾン、スマホに触手 (日経記事)