スマート革命とドライバーコミュニティ、最強の地図サービスを持つグーグルが地図アプリのWaze(ウエーズ)を13億ドルで買収した訳
<序文>
イスラエル発のスマートデバイス用の地図アプリのWazeは、地図に弱いアップル、フェースブック、そしてグーグルの間で激しい争奪戦が行われていました。
結局フェースブックでもアップルでも無く、地図サービスのトップ企業のグーグルに買収されました。買収額は発表されていませんが、10.3億説と13億ドル説の二つが出ています。
しかしグーグルは最強の地図サービスを誇る企業です。
グーグルアースやグーグルマップと言うインターネット上で燦然と輝き、2012年秋にはアップルのテイム・クックCEOに「IPhone5に関してアップルの地図は問題があるのでグーグルマップを使って欲しい」と言わせた実績を持つトップ企業が何故イスラエル発の150人の地図アプリ企業を欲しがるのでしょうか?
「グーグルがWazeを大金で買収した理由は何なんだ!!」と言う疑問が米国のテックブログには満ち満ちています。
思えば確かに不思議です。
(Credit: Waze)
★★ 4 Reasons Google Bought Waze
★★ Four Reasons Google Bought Waze
★★ Why Waze matters for Android
国内でもサービスされています。
GuidedTourJapan_ForWebsite (日本語動画)
(動画)
テレビのABC7放送は交通情報の提供にWazeを使っており、ニュース番組でもWazeが出てきます。グーグルマップと同じ扱いですね。
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<出所:ABC7放送>
<スマートデバイス地図のソーシャルメディアを巡る争い>
一人一台のパソコン+ブラウザー時代から一人が七台のスマートデバイスを動き回りながら時と場所によって使い分ける時代(スマート革命の時代、ポストパソコン時代)が来ています。
スマートデバイスにおいては地図のサービスはパソコンのポータルサイトと同じ位重要です。グーグルはグーグルアースやグーグルマップでそこを押さえました。それがスマートデバイス時代にiPhone5との地図サービスを巡る競合関係で優位を築いた事が誰の目にも明らかになりました。
イスラエルのWaze(ウエーズ)は地図プラットフォームもサービスしますが、レイアーが一つ高く地図プラットフォームの上に乗っかったドライバーと言うコミュニティの動き(5千万人参加)を把握し、サポートしています。通勤時間の短縮やコミュニティ参加のガソリンスタンドの割引など色々特典があります。地図の修正もドライバーの提案を受け入れています。ロサンジェルスの交通渋滞は日常茶飯事であり
Waze(ウエーズ)は「カーマゲドン(ハルマゲドンの揶揄)」と呼んでいます。
例えばガソリンスタンドの石油の値段が上がったらWaze(ウエーズ)に参加するドライバーは値段の変更をWaze(ウエーズ)にメッセージします。渋滞や事故が起これば写真をメッセージします。それによってポイントがもらえ、ランクが上がります。またスマートフォンのアプリがGPSの位置を自動的にメッセージする為、渋滞が明らかになります。(モノのインターネット)現在のドライバーの感情を怒っている車の絵や笑っている車の絵で表現するゲーミフィケーションの要素を持っています。(これはLINEのスタンプに一脈通じますね)
これはフェースブックにもグーグルにもアップルにも欠けているサービスです。
無論、グーグルにはアップルやフェースブックなど競合による買収を防ぐ意味もあります。またWaze(ウエーズ)はYouTubeと同様に独立させて置くようです。
<ABC放送が朝の交通情報ニュースに採用>
Waze(ウエーズ)はイスラエルの企業ですが、既にシリコンバレーに上陸してサービスを行っています。そして地上波のABC放送が米国一交通渋滞(ラッシュ)が激しいと言われるロサンジェルスなどで Waze(ウエーズ)を交通情報ニュースに採用しています。数年前にCNN放送にグーグルアースが採用された時は凄いと思いましたが、スマート革命(ポストパソコン時代)は Waze(ウエーズ)の出番です。
日本を含む世界25カ国でサービスしていますが、国内でも普及しそうですね。
Waze(ウエーズ)はスマート革命時代の新しいソーシャルメディアの在り方を提示しています。スマート機器もドライバーもメッセージを送り、ビッグデータが機械学習で解析する時代がまた進みます。