スマート革命とパソコンの衰退、サムスンによるデスクトップからの撤退報道の影響
<序文>
コリアタイムス紙がサムスンのデスクトップパソコンからの撤退を報じています。サムスンからの正式報道ではありませんが、動きの早いサムスン故、これは国内メーカーにも影響が有ると思います。
パソコン市場への参入は遅いもののグーグルクロームブックなどで二桁成長を続けるサムスンのパソコンビジネス関連のリストラです。
またHPは21インチのアンドロイド・ラップトップを販売します。
従来の予測ではパソコンは成長率が落ちてもタブレットやスマートフォンと共に少しずつ成長すると考えられていました。しかし2013年からの予測では、2013年はノートブックも含めて10%程度市場が縮小すると変わり始めています。サムスンから見ればデスクトップ・ビジネスは市場が縮小し、投資する価値が無いと言う判断です。何時でも何処でも型のみがPC市場として生き残ると言う判断でしょうか?
日本でも既にNECはパソコン事業をレノボとの合併会社に移管していますから、同じ動きと言えない事もありませんが、サムスンの場合には駄目な事業はさっさと切ると言う姿勢が異なります。
★★サムスン、デスクトップPC事業の廃止を計画か
★★Samsung quits desktop PC biz, will stick to all-in-ones and portables
★★Gartner Says Worldwide PC, Tablet and Mobile Phone Shipments to Grow 5.9 Percent in 2013 as Anytime-Anywhere-Computing Drives Buyer Behavior
★★Samsung to close desktop business
引用 コリアンタイムス紙
Samsung Electronics has decided to ditch its unprofitable desktop PC business and devote itself to tablet computers and all-in-one laptops, company officials said Monday.
引用終わり
★★NEC PCとレノボ・ジャパンが社長交代、ロードリック・ラピン氏が就任
<パソコン市場の縮小予測、特に固定型PCは没落の方向>
ガートナーが2013年6月24日に発表した2013年以降のグローバルなスマートデバイスの予測によれば、何時でも何処でも型のスマートデバイスが成長し、パソコン市場はノートも含めて相対的に縮小します。(パソコン市場の縮小は2013年、2012年比10.6%、移動型のラップトップ(ウルトラモバイル)も含めれば7.3%の減少となっています。一方タブレットの出荷は67.9%の増加、スマートフォンは4.3%の増加となっています)
サムスンはこの手の流れから判断して固定型のパソコン時代は終焉したと考えたのでしょう。
Table 1
Worldwide Devices Shipments by Segment (Thousands of Units)
Device Type |
2012 |
2013 |
2014 |
PC (Desk-Based and Notebook) |
341,273 |
305,178 |
289,239 |
Ultramobile |
9,787 |
20,301 |
39,824 |
Tablet |
120,203 |
201,825 |
276,178 |
Mobile Phone |
1,746,177 |
1,821,193 |
1901,188 |
Total |
2,217,440 |
2,348,497 |
2,506,429 |
Source: Gartner (June 2013)
ちなみにOSのシェア―の変動予測です。(ご参考)
Table 2
Worldwide Devices Shipments by Operating System (Thousands of Units)
Operating System |
2012 |
2013 |
2014 |
Android |
505,509 |
866,781 |
1,061,270 |
Windows |
346,464 |
339,545 |
378,142 |
iOS/MacOS |
212,878 |
296,356 |
354,849 |
RIM |
34,584 |
25,224 |
22,291 |
Others |
1,118,004 |
820,592 |
689,877 |
Total |
2,217,440 |
2,348,497 |
2,506,429 |
Source: Gartner (June 2013)
<出所:ガートナー>
<WindowsPCはアンドロイドやクロームに食われるのか?>
もう一つの注目点はパソコン販売最大手のHPがアンドロイドPCに力を入れ始めた点でしょう。無論、これはアンドロイドタブレットにキーボードが付いた形と考えられますが。いずれにしてもWindowsPCの時代は急速に終わりを迎える可能性もあります。
Windows8の出荷(2012年10月)からWindowsXPのサポート打ち切り(2014年3月)までの間が時代の移行期なのかもしれません。
<出所:エンガジェット>
★★ HP Slate 21発表、Tegra 4採用の21.5インチAndroidタブレット兼デスクトップ