【書評】『仕事で使える!「Twitter」超入門』
先日、KNN神田さん主催のイベント"Twitter on Business Vol.2"に参加した際に、ご一緒させていただいたモディファイの小川さんから『仕事で使える!「Twitter」超入門』をいただきました。ありがとうございます。どたばたしていて読む時間がなかったのですが、ようやく読了しましたので、ご紹介がてら感想を述べておきたいと思います。
本書の構成は、大きく分けて3つになっていると考えて良いでしょう。まずは前提知識として、Twitter とは何か、なぜ話題になっているのかを紹介するパート。次に個人利用だけでなく、ビジネス面での活用も進んでいることを紹介するパート。最後に Twitter の革新性というか、ウェブの世界全体にどんな革命をもたらす可能性があるかを解説するパートの3つです。いずれも新書というサイズのため、既に Twitter を知っている人からするとちょっと物足りない感じを受けることもあることは事実ですが、そこはさすが小川さん。限られたスペースで、的確な解説をされています。「Twitter って何なの?」と周囲の人々から聞かれて困っているという方は、最初のパートが非常に参考になるでしょう。
しかし、やはり本書の価値は3つ目のパートにあるのではないでしょうか。Twitter という、端から見れば「短いメッセージを投稿する“だけ”」のサービスが、なぜこれほどまでに人気を博しているのか。数あるウェブサービスの中でも重要な存在と位置づけられ、Google や Facebook と張り合うような存在になっているのか。現在の状況を俯瞰し、将来を占う上で重要な情報を得ることができるでしょう。
ツイッターが本当に地球の鼓動となれるかどうかはわからないが、それを期待するだけの価値があるサービスだ。そして、その野望を後押ししたいと、純粋にいちユーザーとして思えたのだが、その思いが、私と私のパートナーたちと、そして私たちのお客様にとってのビジネスになるのであれば、さらにまた嬉しいことだ。
小川さんは「おわりに」でこう述べていらっしゃいます。事実、小川さんがCEOを務める株式会社モディファイでは、Twitter(だけでなくソーシャルメディア全体)を使った企業プロモーションのパッケージを用意されているとのこと。それは既に、以下のような形で実現されています:
■ アイウェアのJINS、マス広告+Twitterマーケティング開始 (Speed Feed)
このような形で、実際に行動に移せるというのは非常に羨ましいですね。本書を読み、またモディファイが手がける Twitter マーケティング事例を目にすれば、小川さんがやろうとしている「野望の後押し」が見えてくるのではないでしょうか。
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ところで、以前からこのブログでも予想していた通り?秋から冬にかけて Twitter 関連本がどっとリリースされるようですね。明らかになっているものだけでも:
- 仕事で使える!「Twitter」超入門 (青春新書INTELLIGENCE 250)
- 『Twitter革命』(ソフトバンク新書)
- ツイッター 140文字が世界を変える(マイコミ新書)
- Twitterの衝撃(日経BP)
- twitter小説集 140字の物語(ディスカヴァー21)
の5冊。あと個人的に某氏が書かれているようだという噂を耳にしていますので、あと1冊加わる可能性があります。そして……僭越ながら、僕もこの中に参加することになりました。僕の場合は翻訳なのですが、最新情報の追加という部分で、ちょっとだけ加筆させていただいています。
ということで、これから6~7冊の Twitter 本が書店に並ぶ、ということになります。1ユーザーとしては楽しみな状況ですが、一方ではライバルが多くて困ったなぁ、という思いです(笑)
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