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性教育ポッドキャスト

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iTunes で「中西部の10代セックスショー」というポッドキャストを見つけたらどうしますか?刺激的なタイトルに引かれて思わずクリックしてしまう……という人が多いのでは、と想像しますが、実は10代の若者に向けた「性教育ポッドキャスト」なのだそうです:

Sex-Ed Podcast Is Frank, Funny and Controversial (WSJ.com)

2人のクリエーター、Nikol Hasler さんと Guy Clark さんが始めたポッドキャスト"The Midwest Teen Sex Show"について。ビデオによるポッドキャスティングなので、正確には「ビデオ・ポッドキャスト」なのですが。10代の男女が直面する性の問題について、率直な言葉で語り、より現実に即したアドバイスを提供することを目的としているそうです。

ちなみに記事中で言及されている、エピソードNo.4"Birth Control"のビデオがこちら:

この取り組みについては、評価する声がある一方、医学的な観点から考察が行われていないという批判もあるそうです。またエンターテイメント性が話題になっているのであって、教育効果という点には疑問が残る、との声もあるとのこと。従来のような「保健の先生が教室で教える」というスタイルから離れ、新しい手法を始めようとすれば、様々な問題が生じてしまうのでしょう。特に性教育というのがセンシティブなテーマであることは、日本の状況を見ても明らかです。

しかし「ポッドキャスト」という、より10代の若者に近いメディアを利用するというアイデアは評価されて良いのではないでしょうか。誰かにメッセージを届けようと思えば、ターゲットが接する確率が最も高いメディアにメッセージを載せるのが最善の方法でしょう。例えば以前もご紹介した『社会が変わるマーケティング』では、ネパールでHIV/エイズ問題に対する意識を高めるために、切手にメッセージを印刷するという手法が行われたことが紹介されています。テレビや新聞というメディアが普及していないため、「切手」が代替として利用されたわけですね。

考えてみれば、日本ではマンガで専門知識を伝えるという手法が広く行われています。「○○というメディアは××というテーマを扱うのに適していない」という考えを捨て、「○○というメッセージを伝えるためには、どんなメディアを利用すべきか?また何がメディアとして利用できるか?」と考えなければならないのでしょうね。

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