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国会図書館に「はてブ」を付けたら

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既にネット上でかなりの話題になっていますが、国立国会図書館のポータルサイト「PORTA(ポルタ)」がオープンしました:

国会図書館が書籍検索ポータル開設 ソーシャルブクマ・RSSリーダー付き (ITmedia News)

これが公的機関が開設したものとは思えないほど、なかなかWEB2.0なこと(笑)になっています:

  • 検索結果にタグやコメントを付けて保存・共有できるソーシャルブックマーク機能
  • RSS出力/RSSリーダー機能
  • 検索結果から別の資料を推奨するリコメンド機能
  • マイページで検索窓などの位置をドラッグ&ドロップで変更する機能
  • API公開

などなど、これだけ見るとまるで民間企業のよう。ネットでは「無駄な機能/工事中が多い」「使いづらい」という意見もあるものの、やはり「国会図書館でここまでやるのはスゴイ!」という反応が多いようですね。

いろいろあってどこから切り込もうか迷うのですが、個人的にはまずブックマーク機能が気になりました。例えば「伊藤若冲」というキーワードでヒットした結果の1つに、「若冲」というタグを付けてみると:

Porta_1

こんな風に、[ ] で括った言葉がタグとして登録されます。あれ、それって何てはてなブックマーク?また他人の付けたタグがあれば、「お薦めタグ」に候補として表示されます。

Porta_3

さらにこちらは、他人のブックマークを検索できるページ。キーワードを入力して「検索」ボタンを押すと、タイトルもしくはタグにそのキーワードを含む結果を表示してくれます。残念ながらタグだけを直接検索することはできないのですが、表示された結果にあるタグをクリックすると、同じタグが付いたブックマークを表示してくれる……はずです(いまはエラーが出てしまっています)。

Porta_2

またこちらは、タグ一覧を表示してくれる画面。絞込み機能がないので実用的ではありませんが、いまユーザーたちがどんなキーワードに関心を持っているかが確認できます。ちょっと面白いかも。

「図書館の検索結果をソーシャルブックマークする」というのは初めての体験ですが、ある分野の研究を行っている場合、同じテーマで調べものをしている人の検索行動を再利用できることになるかもしれないと感じました。またデューイ十進分類法などといった「上から押し付けられた区分」だけで資料が分類されるのではなく、いま図書館を利用する人々が正しいと思う姿、つまり「下から積み上げる区分」で分類されることにつながっていくのかもしれません。大げさなことを言えば、司書や図書館のあり方というものを変えることにつながるのかも。

完全に余談ですが、僕は「ポルタ」というとこっちが頭に浮かびます:

スキマの国のポルタ

再放送・DVD化が待ち遠しい……。

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