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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

割り込み文化

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どの新聞だったか忘れてしまったのですが、先日ある新聞のコラムで「ドイツ人記者の集中力は凄い」という内容が書かれていました。ワールドカップの取材をされている方の記事だったのですが、「知識やスキルは我々と大差ないが、話の流れや要点をつかむために意識を集中させることが上手い」といった内容だったと思います。またサッカーのドイツ代表も、集中力を高めるためにアーチェリーをしたり、時計作りの工房を訪れたりしたのだそうです(うろ覚えなので、間違っていたら指摘して下さい)。

仕事をする上で、確かに集中力というのは重要な要素です。スキルや知識があったとしても、それを発揮すべき時に発揮できなければ宝の持ち腐れになってしまいますから、成功には集中力が不可欠だと言っても良いかもしれません。ところが現代では、オフィスで集中力を保つのは非常に難しくなっています -- 電話やメールの着信、携帯電話へのコール/メールなど、割り込みが容赦なく発生するためです。一度集中力が途切れると、再び元のレベルに戻すのは簡単なことではありません。最近「合宿」という形で缶詰状態で仕事をすることが流行っているのも、そんな割り込みから逃れるという理由もあるのでしょう。

最近、この「割り込み」を許容する文化がさらに根付いてきているような気がします。例えばメールのアラート機能。新着メールがあると小さな手紙アイコンが表示される、という程度なら可愛いのですが、ヘッダーと冒頭の数行をポップアップで表示するようなものがあります。またRSSリーダーの中には、新着記事があると同様のポップアップ表示を行ったり、デスクトップに常駐してティッカー形式でニュースを流し続けるタイプもあります。その他、時刻や天気を教えてくれるデスクトップキャラクターなどなど。こうしたものがネオンのようにチカチカと光ったり、ユニークな動きをして、私たちの気を散らそうとしています。

もちろん、こうしたものが悪いと言っているのではありません。重要なメールやニュースを待っている時には、アラート機能は非常に便利なものでしょう。しかし、集中して仕事したいときには、こうした「親切心から設けられた」機能は邪魔以外の何者でもありません。かといって、アラートを表示するアプリケーションの設定を1つ1つ変えていくのも手間です。例えば設定しておいたファンクションキーを1回押すと、全てのアラートがオフになり、アクティブウィンドウがフルスクリーン表示される -- といった工夫があっても良いのではないでしょうか。

最近の技術革新のおかげで、放っておいても情報が集まってくる「プッシュ型」の仕組みが便利に使えるようになりました。ユーザーにとっては、まさに「果報は寝て待て」といったところなのですが、逆に割り込みの発生を許容し過ぎているのが現在の状況ではないでしょうか。情報を積極的に受け入れるモードと、一切の情報を遮断して集中力を高めるモード、両方のバランスを取ったり、素早く切り替えができるような仕組みがもっと考えられても良いように思います。

Comment(4)

コメント

missioncard

9日付朝日新聞朝刊の能登智彦記者のコラム「FROM GERMANY」だと思われます>ある新聞のコラム

ただし、「知識やスキルは我々と大差ないが」とまでは書いてありません。「驚いたのは、社員たちの知識や技術より、むしろ驚異的な集中力だ」と言っています。

ありがとうございます!っていうか自分、脳内で誤変換しまくりでしたね。失礼しました。

ぴぴ

集中力というよりむしろ、マナーの問題かもしれませんが、打合せや、そこまでいかなくても人と会話している最中に着信した携帯電話に出る人がいますよね。あれが一般化するのはあんまりだなぁと思います。かける方も、携帯だからすぐに出るものと思っている人が多いんでしょうか。

そういえば、昔、本当に締め切りぎりぎりの時など、電話を切って外出中のふりをしていたことがありました(電波の届かないところへ出かけてます、って。。。)。取引先の皆様、すみません。でも、やっぱりそれだけでもずいぶん効率が上がったものです。

アキヒト

そういえば最近、会議中でも気軽に携帯電話に出る人って多い気がします。なんとなーく許容されつつある雰囲気ですが、やっぱり集中という面からは必要最低限であるべきだと思います。
「電波が届かないところに・・・」もだんだん通用しない言い訳になりつつありますね(笑)。「集中力を高めるため」という理由でオフにするのを許してくれると良いのですが、これはまぁ、日頃から信頼感を築いておくことが重要ということでしょうか。

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