妄想力の効果

雑誌『LEON』や『NIKITA』を定期購読されている方、はさすがにオルタナティブ・ブログ読者層には少ないと思いますが、僕は最近欠かさずチェックしてます（と言っても書店でパラパラと立ち読みするだけですが）。別にちょいワルオヤジを目指しているわけではなく（まだまだ若いですよ）、紙面のレイアウトや色使い、言葉の使い方などがユニークで参考になる面が多いからです。

中でも毎号驚かされるのは「妄想力」のすごさ。LEON & NIKITA の手にかかれば、どんな品物でも男女の関係を彩るグッズに変貌します。アクセサリーやファッションといったものはもとより、ごく普通に見える品物まで、まさに妄想の力で思いもよらぬ使い道が提案されるのには驚くばかり。

例えば今月号の LEON では、ゴルフを初心者でも楽しめるようにアレンジした「スナッグ」というスポーツの器具が紹介されています。リンク先を見ていただければすぐに分かると思いますが、このスナッグ、器具もカラフルでいたって「健康的」「ファミリー向け」といったイメージ。ところが LEON の記事では、「夜に男女二人でいちゃつきながらプレイするためのグッズ」的な位置付けがされています。こうして一言でまとめてしまうと、実も蓋もないといった感じですが、実際の記事を読むと「よくまぁここまで思いついたもんだ」と思うぐらい詳しいシチュエーションと、期待できる効果について長々と説明されています。

内容はさておき、この「妄想力」、実は重要な力なのではないでしょうか。普通の人であれば、スナッグを見て「ファミリー向けに売り出そう」としか考えられないでしょう。しかし LEON であれば「カップル向け室内グッズとして売れる！」と発想できるわけです。もしかしたら、この目的に特化したカスタマイズを行ったり追加グッズを開発することで、新しい市場を創ることができるかもしれません。「この商品/サービスはこういう使い方しかできない」という考え方のワクを打ち破るのが「妄想力」だと思います。

実際、LEON や NIKITA に載っているのは「こんなもん普通の人は買わないだろ」というものばかりです（いや、僕の感覚がズレているという可能性も大ですが）。それに説得力のある価値を見出して記事にするというのは、並大抵の力ではないでしょう。僕らもブログやRSSリーダーを「男女の愛を深めるためのグッズ」として売り出すのにはどうしたら良いか、どんなシチュエーションに置いたら納得してもらえるかと考えてみることで、妄想力を鍛えることができるかもしれません（決して男女関係に固執しているわけではありませんので、悪しからず・・・）。