「情報過多」時代に"Less is more"が恋しくなるのはなぜ?
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先日、やっと「アーティスト」をDVDで観た。今年のアカデミー賞で、作品賞、監督賞ほか5部門を受賞した映画。サイレントで白黒の映画がなぜアカデミー作品賞に選ばれたのか、興味津々だった。
映画は、サイレント映画の劇場場面から始まる。驚いたのは、映画館でオーケストラが生演奏していること。確かに、オーディオ装置がなかったからこそサイレント映画だったのだが、それを補うのが生のオーケストラだったとは、今から考えると何と贅沢な。
俳優のせりふが全く聞こえず、字幕は本の時々しか画面に現れないのに、ストーリーの展開はとても明快。英語の映画を観るより、よっぽど楽。せりふが聞こえないから、その真空の部分を埋めるために、逆にイマジネーションを最大限発揮しようとしている自分に気づく。それがとっても快い。
ラジオ番組NPRで"Sound of the Day"というコーナーがある。こちらは画像がなく、30秒の音を聴いてそれが何の音なのか当ててみる、という、きわめて単純な内容なのだが、それがとっても楽しい。
マルチメディア化がどんどん進んでいく中で、聞こえないあるいは見えない分野を、自分のイマジネーションで補うというのがたまらなく楽しいのだ...天邪鬼ですね。
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