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元証券アナリスト、前プロダクトマネージャー、既婚な現経営者が、日頃の思いをつづります。

資金調達でお困り?Kickstarterにも注目してください

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とても面白い製品を思いついたけど、量産化する資金がない。CDを出したいけれど、お金がない...そんな時にも、クラウドが役に立つのだという。

Kickstarterのタグラインは、"We’re the largest funding platform for creative projects in the world" (クリエイティブなプロジェクトが資金調達をおこなうための、世界最大のプラットフォーム)

プロジェクトの内容と、いつまでにいくら資金調達をしたいかをKickstarterに伝える。数日のうちに、イエスかノーかの返事が来る。イエスだった場合は、Kickstarterのウェブサイトにプロジェクトの紹介をアップできる。

たとえば、シアトル在住のインダストリアルデザイナー、Jim Youngさんの場合。iPadなどのタブレットPC専用のスタンドPadPivotの製品化を思いつき、量産化するのに必要な資金$10,000をKickstarter経由で調達した。一口あたり調達額は、最低$5から最高$250以上の7段階。それぞれの段階で、受け取ったお金の対価としてどんなものを提供するかを示している。たとえば、$25でPadPivot一台差し上げます、というふうに。

期限までに目標額が集まらない場合、そのプロジェクトは断念。資金はすべて返さなければならない。目標額が集まったら、めでたくお金を受け取り、プロジェクト開始。期限までに目標額以上集まっても、それは返す必要はない。Kickstarterの取り分は、調達金額の5%。加えて、Amazon Paymentが3-5%とる。

Jim YoungさんのPadPivotプロジェクト、期限と定めた60日間で、なんと5000人近くのサポーターから$190,000以上の資金が集まった。

Kickstarterでは、プロジェクト紹介のためにビデオの作成をすすめる。プロ並の質は決して必要としないが、自分のプロジェクトを熱く語るのが肝心とのこと。

興味深いのは、サポーターは出資するわけではないこと。売上代金を先に受け取る、というパターンが多い。会社の持分を渡すことなく資金調達できるというのは、創業者にとってはうれしい。

現段階では、米国内に銀行口座がないと資金調達できないらしいが、海外のプロジェクトにもKickstarterを通じた資金調達が可能になるよう準備をしているという。

日本国内での資金調達に苦労している方は、Kickstarterの今後の進捗にご期待ください。

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