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あれこれ考えるよりも作ってしまった方が早いんじゃね?と思う、ギークなサラリーマンのアジャイルな日々。

本当にお客様に向き合っていますか?

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先日、とある会でとても考えさせられる話を聞いた。

話をしてくれた先輩が老人ホームの事業を担当していたとき、担当のホームに社長が視察にくることになった。ホームの職員は社長がくるに当たって、失礼や粗相がないように準備万端整えて視察の日を迎えた。

視察当日、社長が訪れてホームの施設や介護の様子などを視察して、何事もなく視察は終わり、職員がホッと息をついたとき、ホームの入居者のお一人が職員に対して言った言葉がある。

『お前たちのお客様は誰なんだ?誰からお金をもらっているんだ?』

職員達はハッとした。
その人は言葉を続けた。

『お前たちは、今日、ずっと自分たち(入居者)ではなく、社長の方を向いていた。社長が客なのか?』

職員達は、その方や入居者に深くお詫びをし、猛省をしたということだ。

この話を聞いて、自分も本当にお客様に向き合って仕事が出来ているか、ということを今一度考えさせられた。

上司の気にいる企画や、数字の目標や計画を立てることは、お客様と向き合うこととはまったくと言っていいほど関係が無い。でも、だいたいの人は上司や数字の方ばかりを気にして仕事をしてはいないだろうか?

上司が気にいる企画がお客様に必ず評価されるとは限らないし、数字はお客様から評価されてこそ、あがってくるものだ。社会人として、サラリーマンとして、時に顧客のすべてのご要望には応えられないことがある。ただ、毎日の仕事の中で上司の顔色や予実のグラフだけを見て仕事をするのではなく、お客様の喜んだ顔や笑顔を思い浮かべながら仕事をするように心がけていきたい。

『動機善なりや、私心なかりしか』

京セラの稲盛さんの言葉で前職のKDDIの社訓にもなっている。この言葉の意味を最近になって理解できるようになった気がする。

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