Appleが陥ったイノベーションのジレンマとは!?
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Appleが陥ったイノベーションのジレンマとは!?
スティーブ・ジョブズ亡き後、新しいiPadが発表されました。
iPad2から新しいiPadへの主な変化としては
1 画面解像度の向上
2 カメラのピクセル数の増加
3 LTEへの対応
4 厚みが0.6mm増加
5 重量が50g増加
といったものです。
あまり大きな変化はないと言ってもいいでしょう。
スティーブ・ジョブズが、ほとんど改善の余地がないような完成品を発売してしまったために、それ以上のものを世に出すのが難しくなっているのでしょうか。
このような自ら改善・改革をできない状況を俗に「イノベーションのジレンマ」と言います。
■イノベーションには2種類ある
まず、イノベーションの定義を確認しましょう。
Wikipediaによれば、以下のようになります。
イノベーション(innovation)とは、物事の「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。
簡単に言うと、新しい商品・サービスの開発と置きかえて考えてみてもいいでしょう。
また、イノベーションには2種類あると言われています。
1つ目は、従来製品・サービスの改良を進めていく「持続的イノベーション」。
2つ目は、従来製品・サービスの価値とは異なる全く新しい製品・サービスを生み出す「破壊的イノベーション」です。
■イノベーションのジレンマに陥るとどうなるのか?
主な事例としては、ビデオがあげられます。
ご存知のように、VHS→DVD→ブルーレイと映像保存メディアは移り変わっています。
ここで、「本当にメディアに保存する必要があるのでしょうか?」と疑問を抱くとします。
すると、時間を気にすることなく、いつでもオンラインで見れた方がいいのではないか。そうすれば、いちいち「保存する」という方法自体が不要になるのではないか。
では、テレビは生放送をそもそも辞めてしまってもいいのではないか。
すべて録画に変えてしまってはどうだろう?
というように、テレビを見る人の時間を自由にシフトさせることができるようになってきます。
これまでDVDやブルーレイなんかに保存しておいた場所そもそもが不要になり、空いた部屋の空間の利用方法が変わってくるかもしれません。
逆にいうと、いつまでもVHSやDVDといったメディアを販売している会社の業績は悪化していくとも考えられます。
このいい事例が、経営破たんしたカメラメーカーのコダックです。
従来型のカメラの製造から脱却できなかったため、経営破たんという事態にまで陥ってしまいました。
いずれ、消費者が期待するような破壊的なイノベーションを起こさないとAppleといえども、業績は悪化していくと思われます。
■Appleへの打開策はあるのでしょうか?
破壊的イノベーションが発生する場合を考えてみますと、通常、大企業が席巻している市場にベンチャー企業が新しい価値観を伴う商品やサービスを開発し、大企業がそれを横目に具体的な対策を練っている隙(すき)にベンチャー企業が一気に市場に攻めていくことで、破壊的イノベーションが起こります。
であるならば、Appleの場合は、Appleとは別に子会社を設立し、その会社に疑似的なベンチャーとして新たな商品やサービスの開発を行わせ、Appleの製品がマイナーチェンジばかりで目新しいものを世に出すことが出来なくなってきたと言われるようになれば、そのベンチャーをAppleに吸収させるなり、もしくは、Appleをベンチャーに吸収させてしまう、ことで持続的な破壊的イノベーションが可能になると考えます。
破壊的なイノベーションを自社ですべてまかなおうという発想から逃れるところから始めないといけません。
大企業が生き残っていくには、難しい時代になっているのでしょうね。
今後も、Appleが消費者をあっと驚かせるような新しい商品を出していくことを期待しています。
1997年発売のもので古典とも言えますが、いまだに通用する考えが多く書かれています。
むしろネット社会に変革している今こそこの書籍を読むと面白い発見があるかもしれません。
クレイトン・クリステンセン
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